牛ホホ肉の赤ワイン煮

牛ホホとはどんな部位でしょうか?



その名の通り牛の頬の部分のお肉の事です。


牛肉の可食部としてホホ肉は人気があります。


焼肉屋ではカシラという部位です。


人気がある部位ですがどの部分のお肉なのか
あまり知られていないようです。


私たちイタリアン、フレンチでは主に煮込んで旨みを
タップリ含ませて上品に仕上げた料理に仕立てています。


よく動かす部位なので旨みが濃く
煮込むと柔らかくなるんです。


その中でも一番有名な料理で
牛ホホの肉の赤ワン煮込みがあります。


ちなみにフランス語では


Bœuf braisé au vin rouge
と言います。


きっとあなたは食べたことがあると思いますが
実は、その作り方はお店にとって様々なんです。


ベーコンを入れたり、赤ワインだけで贅沢に煮込んだり
特別なスパイスを加えて煮込んだり、、、


今回は私が秘伝の作り方を公開しますので
最後までお読みくださいね。

材料



牛ホホ肉(できれば赤身の牛のホホ肉)
赤ワイン
フォンドボー
香味野菜
(玉ねぎ、人参、セロリ、ニンニク、ポワローなど)
トマトペースト


全部で4日間かけて牛ホホ肉を柔らかくふっくらと煮込んでいきます。


ビストロなど大衆店ではここまで手間暇をかけないで煮込み料理として
メニューで出しています。


煮込み料理は非常に奥が深く、煮込み料理が美味しくできないと
そのお店は美味しくないと海外ではお店の評価を決める基準になっています。


この後にその理由を説明しますので、最後までお読みくださいね。

1日目



牛ホホ肉を一晩水にさらしてきます。


牛ホホ肉は肉の部類に入るかというと
実は違います。


内臓のカテゴリーなんです。


内臓は下処理に時間がかかるのは、
この記事をお読みのあなたはすでに知っていると思います。


内臓特有の臭みを抜くために流水で臭みを抜いておきます。

2日目



牛ホホ肉の筋や血管を綺麗に取り除く。


牛ホホ肉はその名の通り頬の肉です。


ホホ肉は筋が多くこのまま煮込んではいくら煮込み料理とはいえ
口に筋が引っかかり食べていて不快になってしまいます。


ここでは大きな筋を取っていきます。


そして、香味野菜。
フランス料理の専門用語ではガロニチュールアロマティックと呼ばれる
いわゆる玉ねぎ、人参、セロリなどを加えて
このあと煮込むソースに深みや旨みを加えていきます。


この香味野菜はお肉の臭みを消すのにも大変重要な野菜達です。


忘れないように加えてください。


そして大量の赤ワインを浸るまで加えて1日間マリネしておきます。


牛頬肉のマリネ

 

 

 

 

 

 

 

 

このマリネという作業。お肉を柔らかくしますが風味や旨みを肉に浸透させる大事な作業なんです。
赤ワインは濃いめの赤ワインを使っていきます。


牛ホホ肉のマリネ

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じです。

3日目



いよいよ煮込み作業です。


フライパンで水気を切った牛ホホ肉に焼き色をつけていきます。


牛頬肉煮込み

 

 

 

 

 

 

 

 

オーブンにこのあと入れるので、焼き色には注意してください。


牛頬肉の赤ワイン煮込み

 

 

 

 

 

 

 

 

野菜類も炒めて香りを出して最後にトマトペーストを加え
水分を飛ばしておきます。


焼き色のついた牛ホホ肉を入れて、
前日漬け込んだ漬け汁と
さらに新しい赤ワインを加え煮詰めていきます。


ある程度煮詰まったらフォンドヴォーを加えて蓋をして
オーブンでユックリと火を通していきます。

フレンチのテクニック



この作業を専門用語でブレゼと言います。


フランス料理のテクニックでこのブレゼとあともう一つ
ラグーというテクニックがあります。


両者とも煮込み料理なのですが、一つだけ決定的に違う事があります。


それは煮汁の量です。

柔らか煮込み
柔らか煮込み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブレゼは煮汁は少なく
煮上がった時に煮汁も煮詰まりソースが出来上がっている状態。



一方ラグーは肉が柔らかくなったら
肉だけ取り出して煮汁を煮詰めてソースを作るという事です。


この違いは大きく、ブレゼの方が肉と一緒に煮汁が煮詰まるため料理に
一体感が出る料理となります。


ラグーは肉は柔らかくする事には変わりないですが、
ソースは別に煮詰めていくのでソースとの一体感はありません。


大きなレストランではブレゼよりも
ラグーの方法で大量に煮込み料理を作り
ソースは別に作っていく。


こちらの方が大きなレストランでは主流です。


私のお店はそこまで大量に作りこむ必要がないため
旨みたっぷりのブレゼというテクニックを用いています。


ブレゼの時間はおよそ6〜8時間程度です。


煮上がって柔らかくなった牛ホホ肉を取り出して
上から野菜などを取り除いた煮汁につけておきます。

煮汁につけ込む理由

和食の煮込み料理でも同じですが、煮上がったばかりのお肉は
肉の内部で肉汁が対流しています。


肉だけを上げて冷やしてしまうと、
せっかく中に入り込んでいる美味しい煮汁が全て外に出てしまい。


仕上がった牛ホホ肉が味気なくなってしまいます。


それを防ぐために煮汁の中に入れて今度はユックリと冷ましていきます。


決して氷では冷やしません。


急激に冷やすと肉だけ取り出している事と同じになってしまうからです。


煮上がった肉は煮汁の中でユックリと冷めていくと、一度外に肉汁が出ようとします。


煮汁の中に肉があると外に出る量の肉汁と
同量以上の煮汁が肉の内部に浸透していきます。


こうして出来上がった牛ホホ肉の煮込みはふっくらとジューシーに
ナイフがいらないくらいの柔らかさを兼ね備えた牛ホホ肉に煮上がるんです。

 

4日目



仕上げです。


一晩冷ました牛ホホ肉は脂と煮汁に分かれています。


上にあるのは脂です。


その脂がこれから仕上げていくソースに入ると
脂っこく気持ち悪い味になってしまうので
この脂を取り除きます。


そして煮汁だけにしてソースを仕上げていきます。


再び赤ワインと香味野菜を加え煮詰めていき、この煮汁を加えていきます。


ある程度の濃度になるまで煮詰めていき、前日に煮上げた牛ホホ肉を加えます。


すぐに牛ホホ肉は柔らかく戻ります。


熱々トロトロの牛ホホ肉をお皿に盛り付けて出来上がりです。


付け合せには、ポルチーニ茸と栗を生クリームで煮た物を
添えてあります。


熱いうちに料理を食べてください。

仕上がりはトロトロそしてジューシー!
仕上がりはトローり、ジューシー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この料理の奥深さにあなたは
赤ワインをください!
と注文したくなります。


私は個人的に赤ワインはフルボディータイプの赤ワインが好きです。


牛ホホ肉はゼラチン質が多いので
フルボディータイプでないと味やコク、旨みで負けてしまいます。


ボナペティ!(召し上がれ)


アヴォートルサンテ!(あなたの健康に乾杯!)