普段、私たちが食べている牛肉にはさまざまな種類があります。

黒毛和牛のほかホルスタイン、ジャージー、リムーザン・・・
世界でも国ごとに多種多様な牛が生産されているのですが

さらに、そこから日本の市場では

「和牛」「国産」「外国産牛肉」に分類されに国内で流通しています。

なかでも日本人にとって身近な「和牛」はその他の国産牛や外国産牛と比べて
安全で高価な肉としてのイメージが昔ながらにあるのではないでしょうか。

今回は「和牛」のなかでも

赤毛和牛(通称:あか牛)について

なぜ黒毛和牛よりも生産頭数が少なく希少性が高いのか?
その理由や赤毛和牛と黒毛和牛の違いなど、

赤毛和牛の生産地
熊本県 阿蘇(あそ)の狩尾牧場でお話をお伺いしてきました。

その前にまず

赤毛和牛とはどのような牛なのかというと
主に熊本県と高知県で放牧をメインに肥育されている和牛です。

和牛と呼ばれるものには4種類ありますが圧倒的な生産頭数をもつ
黒毛和牛との違いは赤毛和牛ならではの肉質にあります。

自然に溢れる場所で天然の牧草を餌に自由に運動させたあか牛は
筋肉を適度に蓄えた赤身肉。それでいて硬くなくシットリとした
旨味の濃い味わいは、黒毛和牛のサシ(脂)の多い脂っこい肉とは一線を画しています。

<赤毛和牛の条件>

赤毛和牛には大きく3つの定められた肥育条件があります。

赤身の割合が70%以上であること

・全て国産の粗飼料を与えていること

・仔牛は親牛のほ乳により育てられていること

今回お話をお伺いさせていただいたのは
全日本あか毛和牛協会の山本さん(左)と狩尾牧場の中村さん(右)

あか牛のために広がる阿蘇の景観

熊本県の阿蘇へ行くと分かるのですが、標高500mから1047mの高原地帯にあり
夏でも涼しく過ごすことができます。そのどこまでも見渡す限り波状に連なって広がる
膨大な自然環境には圧巻されます。

しかしこの豊かな広い土地の割に飼育されている赤毛和牛の頭数が全体的に少ない?
と感じます。

そのワケはあか牛を健康的で赤身の強い肉質に育てるために欠かせない
必要な理由がありました。

1頭あたりに確保するべく敷地面積

最低限の広さで決められているのです。

<牛1頭辺り=5.4平方メートル以上>

自生している牧草を毎日ひたすらに食べ続け、移動してまわるあか牛たち。

ここ狩尾牧場では繁殖農家として母牛と仔牛を合わせて
現在、約140頭が飼育されていますが

140頭に対して狩尾牧場の広さは160ヘクタール。

土地の広さを表現するのによく使われている東京ドームでいうと約34個分。
ディズニーランドだと3個分の広さに当たります。

どのくらいの面積かイメージできますか?

とにかく十分な広さが必要だと牧場主の中村さんはおっしゃいます。


(驚くことに中村さんはお一人で牧場を営まれています)

水飲み場は離れたところに3カ所あり毎日牧草を食べながら
長距離の移動を繰り返すあか牛たち。

こんな広い牧場でどうやってあか牛をよぶんですか?という疑問に
「こうやって呼ぶんですよ」と実演くださった方法は

「ベエー、ベエー、ベエー」という鳴きマネ声。

笛を吹いて呼ぶでもなく、牧場犬で追いやるわけでもなく
中村さんのこの一声で集まってくるのだそうです。

標高のある阿蘇では心地よい風が流れ、過ごしやすい環境のもと
あか牛たちが健康にストレスなく育てられることへの徹底した追求により

私たちのもとへ「良い赤身肉」が供給されているのだと改めて実感しました。

 

赤毛和牛と黒毛和牛の違い