こんにちは

 

恵比寿のクニオミ

店長ヨザワです。

 

私はついに!

 

肉掃除の作業

任されるようになりました!

やったあ!!

 

肉に触れるのが嬉しいので

大喜びでガッツポーズです。

 

『肉を掃除する・・・』

それどういう意味?

と、初めて聞いた時には

不思議に思いましたが

肉を美味しく焼くために

必要不可欠な作業です。

 

 

当店で取り扱っている和牛は

 

赤身の強い内モモなどの部位が多く

牛の個体差もありますが、

 

だいたい

10〜12kgくらいの塊に

切り分けたものが届けられます。

 

そのデッカい塊肉を

どっこいしょ!と

まな板の上まで運び作業開始です。

 

まず初めに、

デッカい塊りに見えている肉も

幾つかのブロックに分かれているので

それぞれに切り離していきます。

 

そうしたらひとつひとつの

ブロックごとに肉の周りについている

脂身、筋スジ、薄い膜

取り除いていきます。

 

肉を焼く前に、

これらをキレイに取り除くことを

『ソウジ』と呼んでいて

 

この掃除をしないで

ドカン!と肉をそのままに

焼いたり煮込んだり、様々に調理したら

身が固くなり、食べた時に口の中に

スジなどが残るので食感がよくありません。

 

 

ですから、この作業をしないと

しっとり旨い肉汁たっぷりのステーキを

焼き上げることができないので

必ずやるべきヒト手間なのです。

 

肉掃除には

専用のスジ切り包丁を使います。

 

脂身、筋スジ、薄い膜の3層を

すこ〜しづつ、すこ〜しづつ

剥がしていくのですが

高価で貴重な和牛の

肉の部分までそぎ落として

しまわないように

 

 

おそるおそる、

 

かな〜り慎重に作業を進めます。

 

 

シーーーン、

と静かなオープン前の厨房に

『シャッ、シャッ』というスジを削ぎ落とす

包丁の音だけが鳴り響き、

 

 

・・・

 

な、なんだか息苦しい?

 

と思ったら

あまりにも集中しすぎて呼吸を忘れる!?

という事態になるほど(汗)

作業に真剣に没頭してしまいます。

 

そうして

キレイに掃除が終わると

鮮烈な赤!

 

肉なのに

宝石のように艶っぽく

魅力的な赤身が姿を現します。

 

脂身がほとんどない

和牛の赤身肉は身が詰まり、

 

両手で持っても

ずっしりと重たいです。

 

焼く前の生肉なのに

このまま、かぶりつきたい程に

なんとも美味しそう〜。

 

ひと通り、

ここまでの作業を30〜40分で

終わらせられるのが理想ですが

 

私は今のところ

ようやく2時間にちぢめました…。

 

「なんでもコツコツやるしかない」

「とにかく数をこなして慣れろ」

 

というアドバイスを

オーナーシェフから頂きましたので

このまま、やり続けて上達までの道を

まっすぐに進みたいと思います。

 

私が肉掃除を任されるようになって

最大に感じた変化は

 

肉質や色によって

その牛の個体差が分かるように

なってきたことです。

 

牛も人間と同じように

 

同じ食事、

同じ運動時間、

同じ睡眠時間という

条件のまったく同じ生活環境で育ったとしても、

 

 

大きくなって見比べると

・ガリガリの姉と、ぽっちゃり太った妹

・筋肉質の兄と、もやしのような弟

 

というように個人差が出る場合がありますよね。

 

生まれつきの筋肉量やカロリーの消費量

栄養を吸収する機能に誤差があるので

同じようには育ちません。

 

その違いが肉に触ってみると

あきらかに感じられます。

肉質の荒いもの、しっとり適度に水分を

含んでいるもの、色がまだ薄くて淡いピンク色をした

弾力の少ないもの。

 

このように

同じ品種での個体差を実感できるほか

 

当店で取り扱っている

『熊本県産 あか毛和牛』

『岩手県産 短角牛』ではまったくの別品種

なので、健康的に育てられている2つは

見た目肉の質感、脂の入り方があきらかに違います。

 

その両者を比べては

面白いな〜と興味深く、とっても楽しいです。

 

 

次回は生産者の方により和牛を

育てている地域、資料の配合や放牧場所

市場へ出す月齢がさまざまなので

そのあたりに触れてみたいと思います。

 

 

最後までお読みいただき

ありがとうございます

 

QUNIOMI(クニオミ)

店長 与沢ゆみ

絶妙な火入れ贅沢な技術