恵比寿の和牛赤身肉専門クニオミです。
いつもお読みいただきありがとうござます。
このブログ運営して6年が過ぎました。
ありがたいことに多くの“赤身肉好き”な方が
記事をお読みなり、
・赤身肉のこと、メッチャ勉強になった!
・店に行って直接、肉が食べたい!
・新しい記事の更新が待ち遠しい!
・・・・など
嬉しい声をいただいてます。
通常、赤身肉というと
火入れが難しく失敗した焼き方をすると
ゴムのようにガチガチになります。
特に外国産の安すぎる肉は
どんなに上手に火入れをしても
肉そのものに旨味が不足しているので
美味しく食べることは難しいです。
それでも。
どうにか美味しく食べようと考えます。
結果。
限りなくレア(ほとんど生)の状態で
食べようとします。
このブログでも度々お伝えしていますが
赤身肉は火入れが不足していると
肉の味わいがありません。
仕方ないので“強烈に強いタレ”の力を使い
別の味をつけようとします。
残念ながらコレでは肉の味ではなく
タレやソースの味が付いた肉となります。
そして忘れてはいけないことは
限りなくレア(生)で食べると
食中毒の危険もあることです。
しかし。
このブログの記事を少しづつお読みなれば
赤身肉の素晴らしさはモチロン。
火入れのヤリ方まで知ることができます。
もっと赤身肉のことをお知りになりたい方は
アマゾンにて書籍を出していますので、
そちらをお読みになってみてください。
今さら聞けない赤身肉の秘密:
ブログは読んでるけど
お店のことを知らない方もいると思うので
ここまでの経緯を説明いたします。
この先をお読みなることで
国内産の赤身牛肉のことが
「そうだったんだ!」
と、理解できるような内容も
盛り込んでます。
牛肉のことを知ることで
他店で食べても美味しく食べれますし、
なによりも知識がつくので人生も楽しくなります。
それでは始めます。
もくじ
【恵比寿】和牛赤身肉 QUNIOMI
和牛の赤身肉をステーキとして
提供しているお店が当店です。
QUNIOMI(クニオミ)と呼びます。
10年前に東京の恵比寿にオープンしました。
※2022年現在
今でこそ、和牛赤身肉をお出ししてますが
はじめから赤身肉を専門に
扱っていた訳ではありません。
元々は私がフレンチの世界に
長く身をおいていたことも有り
フランスの肉料理に特化したお店として
始まりました。
当時は肉という肉を
フレンチのテクニックを使い
提供していました。
フレンチと聞くと豪華絢爛なイメージや
少量多皿と思う方が多いですが。
良い素材をできるだけシンプルに料理をして
素材の味わい重視でお出ししてました。
素材が全面にでるので
食材はかなり厳選しなければ
成り立ちません。
フランスから空輸で送られた肉類を扱い。

国内産の銘柄豚で
内蔵料理やシャルキュトリー。

ジビエ類なども国内産にして
マガモ、鹿、ヒグマ、イノシシ・・など
とくにジビエ系の赤身肉は旨味が濃いので
がっつりフレンチがお好きな方には
赤ワインとよく合うので好評でした。
でも、一つ問題がありました。
肉料理がマニアック過ぎてしまい
一般の肉好きの方には
分かりずらい料理だったことです。
ヨーロッパの文化では牛肉よりも
他の肉を使う料理をメニューに
載せている店が多く。
牛肉はあまりレストランでは
積極的に使う食材ではないのです。
でも日本だと外食といえば牛肉が
一番にあがるほど人気があります。
そんなこともあり。
旨い赤身の牛肉を召し上がっていただこうと
フランス産の牛肉を扱っていた事もあります。
しかし、問題がありました。
肉の味は抜群によいのですが
仕入れ値が霜降り肉と同じくらいなのです。
個人的には。
それ以上の価値がある肉だと思うのですが
残念ながら多くの方は肉の味わいよりも
“柔らかさ”や“脂の多さ”が好きなようでした。
かといってお店で、
脂タップリの和牛をメニューにいれても
ワインとは合いません。
サシ入りの肉を食べると口の中が
脂ぎってしまいます。
そして、何を食べても脂の膜が邪魔して
本来の旨味などを感じられないのです。
誤解してほしくないのですが
私は“霜降り肉”を否定している訳では
ありません。
このブログでも黒毛和牛の記事があるので
読んでいただくと分かると思います。
霜降り肉の“良し悪し”を知っているからこそ
赤身肉をオススメしています。
あくまでも、
当店のコンセプトとは違うということです。
国内産の赤身肉を発見

ある日。
良質の国内産の赤身肉を発見します。
知り合いの肉を届けている方から
「良い国内産の赤身肉があるけど
使ってみませんか?」
と声をかけられます。
肉らしい味わいのする赤身肉が好きなので
多くの方に食べていただけるには
牛肉の方がいいかもと思っていたこともあり。
国内産の赤身牛肉をメニューに入れることにしました。
ジャジー牛です。
詳しい肉質や味などは割愛しますが
フレンチのテクニックを使わないと
素材を活かせない難しい肉・・・
・・・だったと記憶してます。
すでに知っているとは思いますが
ジャージー牛は乳牛です。
肉自体の旨さは抜群によいのですが
数が少なすぎて瞬殺で売り切れです。
それに。
食肉用として少し肥育をしていますが
いかんせん、食用として育てられている
食肉牛と比べると素が違います。
それでは困るので、
他に国内の赤身牛肉がないのか
と探しました。
そして。
東北の短角牛に出会います。
国内の牛事情をご存じない方もいると思うので
次の章で簡単に説明します。
国内牛肉は3つのカテゴリー
国内の牛肉は大きく分けると
3つのカテゴリーがあります。
1つめは先程ご説明した
ジャージー牛を含む乳牛。
代表的な品種は
よく牛の絵とかでてくる
黒と白のまだら模様の牛いますよね。
そう。
ホルスタインです。
ちなみに、元来。
日本で生産される牛乳の多くは
ジャージー牛乳でした。
日本の好景気に支えられ
牛乳の消費が伸びていきます。
しかし、問題がでてきます。
乳牛として人気のジャジー牛ですが
乳牛のなかでも小型なのです。
牛が小型なので牛乳の量も少なく
ジャージー牛の牛乳では生産量が
足らなくなってきました。
その点。
前述のホルスタインは大型の乳牛です。
一度に搾乳できる量も多いです。
こうして日本の乳牛はホルスタイン種が
大半を占めるようになったんです。
他に有名な牛では
ブラウンスイスなども乳牛です。
これらの牛は食肉用として
短期間だけ肥育して市場に出回ります。
2つめ
海外で生まれた子牛や若い牛を
日本に輸入して飼育して肥育。
こちらは国内産の牛肉として
国産牛とか国内産牛などの名称で
市場に出回ります。
3つめ
和牛です。
和牛とは日本で生まれ日本で育てられた
特定された品種の牛のことです。
和牛は4種類の品種が認められてます。
※大きく分けると5種
1)黒毛和牛
2)赤毛和牛
3)日本短角種
4)無角種和牛
です。
あまり広く知られていないのですが
もう一種、和牛がいます。
上記の和牛同士を交配した和牛です。
和牛間交雑牛と呼びます。
どの牛肉も国内の農家さんの努力より
健康状態が良好な牛だけが
食肉として市場にでます。
短角牛は和牛の品種
このように短角牛(日本短角種)は
和牛の種類の一つです。
肉を食すために改良されたのが和牛です。
なので、肉の味が抜群に良いです。
しかし、問題があります。
短角牛は肉の火入れはジャジー牛よりも
難しいことなんです。
安定した火入れにするには
どうすればいいのか?
また、
赤身肉をどう扱えば美味しく味わえるか?
を研究しました。
いまの私なりの結論をコッソリお伝えすると。
短角牛は他の牛肉と違い脂分が全くありません。
火入れをしてもストライクゾーンが
メッチャ狭いため、少しのミスで
火が入りすぎてしまい
ガチガチになってしまうんです。
別名で
『料理人泣かせの肉』
とも言われてます。
赤身肉はレアでは肉の味わいがでません。
当店では
焼き加減はミディアムでお出ししています。
短角牛にかぎり、ミディアムの火入れでは
ガチガチになってしまいます。
なので。
肉を焼き上げてからの休み時間を加味し
一歩手前で仕上げるようにしてます。
あとは塩を振るタイミングや火力など
細やかな調節をします。
これで、
旨い赤身肉が味わえるようになりました。
もう一つ困ったことがありました。
短角牛は和牛のなかでも特に生産頭数が少ないことです。
肉の味わいは抜群に良いのですが
仕入れに苦労してました。
コレではメニューに載せられない・・
別の品種で美味しい牛赤身肉はないのか
と再び日本中を探しました。
そして偶然にも。
熊本県産のあか牛(赤毛和牛)に
出会うことができたんです。
まだ召し上がったことがない方は
一度ぜひ当店のあか牛を食べてみてください。
私たちがよく知る同じ和牛とは思えないほど
旨さがあり、良質な赤身だからこそ味わえる
鉄分の多さを感じることができます。
きっとあなたの。
和牛に対しての常識がひっくり返る
と思います。
赤毛和牛(あか牛)の産地は入荷次第

あか毛和牛 放牧
クニオミでは赤毛和牛(あか牛)の産地が
その時の入荷次第で変わります。
熊本県のあか牛を基本にして。
高知県から“土佐あかうし”
北海道からも“あか牛”
などを取り寄せています。
高知県、熊本県などは
私が現地に赴き農家の方々や
携わる方にお会いして頼み込んで
美味しい赤身肉を仕入れています。
今でこそ。
赤毛和牛は少し知られるようになりましたが
和牛の市場は黒毛和牛が圧倒的なシェアです。
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和牛=霜降り肉
肉のランクも脂が多く入っている程よい
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みたいな風潮が根強く残ってます。
いまから8年前。
当店が熊本県の“あか牛”をお出ししていた頃
都内では全くと言ってよいほど、知名度はなく。
「あか牛?赤身の肉??」
「和牛なら脂身のほうがいいんだけど
メニューにないんですか?」
と、よく言われてました。
「あか牛って、和牛の赤身肉なんですよ。」
「肉の味は抜群だから一度注文してくださいよ!」
と、頑張ってオススメしてました。
召し上がられた方からは
「和牛の赤身肉って、初めて食べたけど旨いね!」
「外国産の赤身肉とは別次元の肉だよな!」
「日本にもこんな旨い赤身肉があったんだ」
などの、お喜びの声を多数いただいてます。
それから数年後。
健康ブームになり
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脂身=体に悪い、太る、お腹が出る
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・肉を食べるなら健康的に食べよう!
・脂身の肉をその時は旨いけど
翌日、胃にもたれるのは嫌だ!
・脂ぎった肉は肉の味がしない!
今まで和牛は霜降り肉の一辺倒だったのが
少しづつ赤身肉の美味しさが好きな方が
増えていきました。
赤身肉をお出ししていて
コレほど嬉しいことは有りません。
このブログの情報量が増えてきたこともあり
6周年を記念にお店のHPを別に新設することにしました。
※画像をタップするとHPリンクがご覧になれます。
興味があればご覧ください。
他の記事もお読みになり
あなたの肉好きをもっと好きにしてみてください。
そして。
赤身肉は外国産だけではなく、日本で育てられている
和牛赤身肉や国内産の赤身肉を食べてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。