今日は最近何かと話題の熟成について話していきます。

熟成肉という言葉は耳にするけど一体どういう肉を指しているのか、分かりますか?

日本では「熟成=美味しい肉」というイメージが先行しているせいか

料理人でさえ、あまり知識を持たずにメニューに表記してあるお店もあるほど
じつは正確に答えられる方は少ないかもしれません。

ここからは分かりやすい例で牛肉で話していきます。
通常スーパー等でおいてある牛肉は熟成してると思いますか?

答えは「ハイ!多少しています。」

熟成肉について知る前に日本でどのような肉の流通を
しているかを理解する必要があります。

牛肉は日本で育てられる和牛の他に海外のからも多くの牛肉が輸入されています。

オーストラリアなどのオージービーフ、アメリカ牛
ニュージーランドのグラスフェッド、フランスのバサス、シャロレー、リムーザンなど・・・

和牛、国産牛

これらの国からさまざまな牛肉が、遠く日本にまで来る輸送手段としては
船や飛行機等を使って運ばれてきます。


肉の保存は2つの方法がある

チルド(生の状態)または冷凍のどちらかの保存方法で輸送されています。

冷凍はスーパーに並んでいる牛肉などに多く、長い時間をかけての輸送期間でも肉質が劣化しないようあらかじめ現地で冷凍されて運ばれています。

その反対にチルド(生の状態)では、日本で和牛と呼ばれている牛肉の場合に多く、ト畜後に枝肉になってもチルドで流通されていることがほとんどです。

そしてチルドの状態で真空に近い状態に密封し、なるべく劣化を防ぐ処置をして流通しています。

さて、牛肉の流通に対して理解できたと思いますので、
ここから熟成肉について語っていきますね。


あなたは熟成とはどの状態の事を指しているか分かりますか?

熟成には二種類あります。

・ウエットエージング

・ドライエージング

最近話題なのは後者のドライエージングの事を指している事が多いです。

ここで2種類の違いはどのように違うのかということですが、
以下にメリット、デメリットを表記しました。

ウエットエージング

メリット:真空に近い状態で流通しているため、肉の目減りが少ない。

デメリット:肉がムレた匂いが残り水っぽさがある。

ドライエージング

メリット:肉の水分が減っていきながら熟成するので旨みがが濃い

デメリット:肉の水分が失われているので、目減りが激しい

このようにそれぞれメリット、デメリットが存在しているのです。

この2通りどちらも熟成肉でありますが、その違いは顕著に味で現れてしまいます。

そして、ドライエージングに関してですが、よく肉だけの塊のまま
ドライエージングをしているお店がありますが、厳密にいうと肉の塊の状態ではできません。

ドライエージングというのは、空気中や肉に元々いる微生物によって熟成という形となります。

ようは微生物の発生を促して熟成している訳です。

微生物が増えすぎるとお肉はどのようになっていくかというと
腐敗という状態になってしまいます。

肉の塊だけだと肉を守ってくれる要素は何も含まれていません。
なので、最終的に腐敗となってしまうのです。

ではどのようにしたものがドライエージングなのかというと

「骨つきで熟成させた肉」

です。

骨付きで熟成させていくと骨が肉を守り腐敗になるのを
防いでくれるのです。

さらに骨付きでドライエージングをすすめていくと
骨が肉自身における過度の水分蒸発を防いでくれます。

そうすると、何ともいえない熟成香がしてきます。

このような肉を熟成肉と呼びます。

ここまでで、だいぶ熟成について理解が深まったと思います。

でもここまでは素材の話。

ここからは実際の料理の本気での話になります。

もっと慎重になるべき熟成肉の調理法

熟成させた肉は微生物がたくさんいる事は分かりましたよね?

つまり、生では絶対食べる事はできないです。

最近、当店に訪れたお客様がこのように話していました。

「以前、フランスでタルタルステーキを食べた時は、お腹がいたくなった」

「でも、今回フランスでタルタルステーキを食べても大丈夫だったけどどうして?」

一度お腹が痛くなったのに又食べるなんて
なんて肉好きなんでしょうね 笑

フランスは一般的に精肉はドライエージングで流通しています。

感のいいあなたは感づいたと思いますが、
フランスでお腹が痛くなったのは熟成肉が原因です。

例えばビーフジャーキーなどは香辛料や塩によってつけこまれて
乾燥させていますが、全くの生の状態ではありません。

表面を焼いたタタキもしかりです。

表面には火が入っていますが中は生、
先ほどの例と条件は変わりません。

では、ベストの状態とはということですが、
中まできちんと火が入って
なおかつジューシーさが失われずに火が入っている事です。

でも、熟成肉を均一に火を通すほど難しいテクニックはありません。

なぜかというと、熟成によって”肉の水分がない”からです。

肉の水分が少ないということは、当然熱伝導率も変わってきます。

そして、肉の熟成の状態はまちまちです。

でも、適切な火入れをした熟成肉は何者にもいえないような
独特な旨さがあります。

そして、忘れてならないのがワインの存在です。

やはり熟成肉には熟成ワインをあわせて、至福の旨さを味わうことを強くすすめます。

なぜかというと、熟成ワインは尖った香りや強すぎる旨みは
抑えられていて熟成肉と相性がいいからです。

赤身肉料理によく合う赤ワイン

このように熟成肉に対して最高のワインを合わせられたら
人生最高に至福なひとときを味わえることになるかもしれませんよ。

絶妙な火入れ贅沢な技術