和牛赤身肉専門
クニオミです

 

極上ステーキを最高の状態で味わいたいとき、
絶対に忘れて欲しくないものは『塩』。

 

何の塩を、どのくらい使うのか?

 

ステーキを食べるとき、
この「塩選び」は、かなり重要になります。

 

これをお読みの方がもし、自宅でステーキを
食べるときにテーブルにある食卓塩をこれでイイや、
なんて思って使っていたのなら肉の美味しさの
大部分を、損してしまっているかもしれません。

 

せっかくの「ごちそう」を目の前に
それでは非常にもったいないな、と
感じてしまいます。

 

お肉の美味しさを3〜5倍以上に引き上げてくれる
『塩』こそステーキを食べるときには
欠かせない存在なんです。

 

お肉やワイン、産地の野菜等に加えて
案外、見落としがちな調味料にも、

 

ちょっと贅沢に
こだわってみてはいかがでしょうか?

 

この記事では、お肉を焼く前の下準備に使用する
塩ではなく、食べる直前にする”あと塩”について
オススメしているステーキに合う塩をお肉の部位や
品種別にご提案しています。

今回はお肉の中でも
日本人に一番親しみのある和牛ステーキに
合わせるとしたら・・・

 

いったい何の塩がオススメなのか?
プロの観点からお伝えしていきます。

 

ステーキ肉に合う塩とは?

ステーキ肉にバッチリ合う塩を
いざ探して見ようとしても

岩塩、海塩、湖塩など世界中で
あらゆる塩が作られています。

 

日本でも、塩だけを専門に揃えて
販売しているお店もあるほど、色々な
種類の塩が手軽に使用できようになりました。

 

最近、驚いたことに
近所にあるお蕎麦屋さんでは、
常時8種類もの世界の塩が自由に
使えるというサービスが始まった事です。

 

白い結晶化した塩のほか、ピンクや緑、
灰色などさまざま・・・

 

毎度、訪れるたびに色々試してテンプラ
そばを食べるのが私の密かな楽しみでもあります。

 

すっかり塩の魅力にハマっている
ひとりとして少し塩の種類について
お話ししようと思います。

岩塩が神秘的なひみつ

岩塩とは
もともと海だったところが
地殻変動で海水が岩に閉じ込められ
徐々に結晶化したものになります。

 

岩塩のなかには数億年以上もの
時間をかけてゆっくりと作り出されるものも
あるので海の化石とも言える産物です

 

鉄分などを取り込むためピンク色になると
言われているアンデス地方の岩塩のほか、

 

火山や土地の影響を受けて成分変化で
色や味にも大きく違いのある岩塩は、
多くの場合において海塩よりも口に
入れた瞬間に感じる強い塩辛さが特徴です。

世界各地で採れるため塩の中では
岩塩が一番多く生産されています。

世界的に希少な湖塩

逆に生産される数が希少な塩は
「湖塩」←初めて聞いた方もいるかもしれません。

 

湖塩で 有名な産地としては
カスピ海やウユニ湖(ボリビア)や
グレートソル湖(アメリカ)ですが

 

海塩が岩塩になる途中の状態を指します。

 

波もない静かな水面に人が、プカプカと
浮きながら本を読んでいる・・・という
映像を見たことはありませんか?

 

アラビア半島にある死海と呼ばれる湖からも
湖塩が採れます。この場所は河川の排出がないため
塩分濃度が高く、浮き輪をつけない状態でも
身体が抵抗なく水面に浮き上がることができるのです。

 

そこから採れるミネラル分の豊富な黒い泥も
美容にいいとして、死海の周りには
リゾートホテルが立ち並び、観光地として
人気のある場所になっています。

 

そして3つ目

 

海塩が和牛ステーキ肉に合う理由

 

海塩のなかでも厳選してお薦めしたいのが

『ゲランドの塩』

 

日本でも海塩は作られているのですが
和牛にはこのフランス産がよく合います。

 

同じ海の塩でも日本とフランスでは
何が違うのか、という点ですが、

 

まず作り出す工程が違うため、口に入れた
ときに感じる塩味の大きな差があります。。

海に囲まれている日本では昔から
海水を原料にしていますが、年間を通して
雨量の多い土地柄、天日干しをさせて
乾燥による作り方ではなく

 

濃度の高い海水を集めてから、
さらに煮詰めるという方法を
使って塩を作り出しています。

 

試しに、日本の海塩を指にとって
舐めてみると最初に塩の辛さを
感じることと思います。

 

そのあとは優しくスッと溶けるような
イメージではないでしょうか。

 

煮詰めて蒸発乾燥させているので
グッと尖った塩の旨みがあります。

 

一方、フランスの海塩はというと

 

ブルターニュ地方で作られる
ゲランドの塩
が有名です。

 

海水を平らな場所に広がる塩田まで
引き込み、太陽と自然の風のみ利用して
じっくりと蒸発、濃縮させます。

 

最大1〜2年もかけて作る天然塩は
やがてジワジワと塩の結晶が表面に
浮かび上がってきます。

 

最初の結晶が花のように美しいため
『フルール・ド・セル』とも言われます。

 

ブルターニュ地方では2000年以上前から
今でも職人(パリュディエ)より手作業で
繰り返し塩作りが行われてきました。

 

機械化が進む中、伝統的なゲランドの塩は
不純物が少なく星付きの高級レストランでも
愛用されています。

 

私たちの手元に届くには少し高価に
感じるかもしれません。ですが、ぜひ一度
お試しいただきたい塩のひとつです。

この塩とシンプルに焼いただけの和牛肉。
この2つを合わせて一緒に食べてみてください。

 

口の中で大粒な塩の結晶が
ジュワ〜溶け出してくるのが
お分りいただけることと思います。

 

ほかの塩より溶け出すまでに時間が
かかるので、後からゆっくり塩の辛さと
ミネラルの甘みが広がってきます。

 

日本で育てられる和牛は、肉質が柔らかく
熟成をかける必要がないほど旨味が
十分にあるため、水っぽくもあります。

 

なので、ガツンと強い赤身肉と違い、
和牛は旨味を感じるまでにわずかに時間差が
あるため、同じタイミングで混ざり合う
相性の良さではゲランドの塩が抜群です。

 

ステーキを噛んだときの
「口の中いっぱいの肉汁」「溶け出す塩」

 

ぜひ、塩のさじ加減も楽しみながら
ステーキを美味しく味わってみてくださいね。