赤身肉専門「QUNIOMI」クニオミです。
ついに先日闘牛ステーキを食べる機会がありました!
闘牛といってもスペインの牛ではなく日本の闘牛です。
世間一般に出回ることはなく市場にさえ流通しないため
滅多にお目にかかれない牛肉として肉業界では
“まぼろし”と言われているステーキです。
チャンスがあれば
「闘牛ステーキを食べてみたい!」
という方もいれば
「食べても大丈夫なの?」など
疑問に思う方もいることと思います。
私も実際に、闘牛ステーキを食べるまで
期待と不安の入り混じった複雑な気持ちでした。
このページでは、日本の闘牛について。
闘牛ステーキの感想、美味しい闘牛料理などを
ご紹介しています。
闘牛ステーキが選ばれる理由
一般的に、ステーキと聞いて
イメージするのは松坂牛や神戸牛のほか。
赤身の強いものになるとアメリカンビーフや
オージービーフなどが多いのではないでしょうか。
この後に詳しく書いていますが
闘牛は“オス牛”です。
筋肉が発達していてメス牛や
去勢牛ほどの脂身はありません。
ましてや、勢力的にトレーニングを
積んでいた闘牛ならムキムキです。
シコを踏んで毎日稽古に励んでいる
お相撲さんや、首から肩にかけて
鍛え抜いているラグビー選手のような
イメージです。
今回、思い切って闘牛ステーキを
ご紹介しようと思ったのは
ここ最近、東京では健康への意識が
高まりトレーニングで身体を鍛える方が
増えているなあ、と感じたからです。
炭水化物を抜いて食事をコントロール
している男性も多くいます。
もしかしたら、
闘牛のように鍛え抜かれていく勇姿や
たくましい肉質が今の時代に重なる
ゴールデン和牛として注目されていく
ことになるかもしれません。
和牛の常識を覆す男肉
闘牛は血統を辿ってみると純粋な『和牛』です。
黒毛和牛や短角和牛から産まれています。
(一部別種もいます)
仔牛のうちに「素質がありそうだ」と見込まれた
オス牛だけが選ばれて闘牛を扱うプロの生産者に
引き取られていきます。
その後、馬主と同じように闘牛にもそれぞれに
牛主がついて期待を込めて飼育されるのですが、
黒毛和牛や短角和牛も含めて、国内すべての和牛は
1体ごとに、申請登録する義務が定められています。
それによって個体ごとに、厳正に管理されているため
闘牛にも「トレーサビリティー」という
個体識別番号があります。
それを見れば誰にでも一目瞭然で、生まれた場所や
母牛のこと・生産者の名前と投薬のありなしという
記録まですべて分かるようになっています。
では、闘牛として選ばれなかったオス牛は
どうなるのでしょうか?
血統の良いものは種牛となりますが
多くのオス牛は去勢をして肉用牛として
飼育されることになります。
去勢をするのは闘争心を残したままでは、
繁殖期には興奮して手がつけられなくなることと
オス牛は筋肉がつきやすく、和牛の特徴でもある
霜降りの脂が身に入りづらくなるからです。
世の中の男性が、この話を聞くと
なんとも世知辛い状況かもしれません・・・
そうして、運よく素質を見込まれた闘牛は
去勢されず完全なオス牛のまま別の牛舎へ移動します。
だからこそ「闘牛は”肉用牛”とは違う」
という認識もあり、市場にはほとんど
流通されてきませんでした。
普段の闘牛の生活は、トレーニングと呼ばれる
運動させています。トレーニングの内容は、
坂道を上り下りしたり、木とぶつかり稽古で
体格をたくましく鍛えています。
そして、年に数回行なわれる試合へ出場する
機会を待ちながら、のんびり暮らしています。
日本各地の伝統文化として継承されている
闘牛たちは長いもので13〜15年
大切に育てられていると言います。
闘牛ステーキに適した部位
では、どのタイミングで
廃牛になってしまうのか?
ということですが、
試合でケガをしたりライバルとの
格差がついてしまったり、引退したり
とその理由はさまざまなようです。
ただでさえ頭数がいないため、
このような事態は年間で1〜2頭ほど。
その時を迎えると、生産者さんや
牛主さんは痛恨の想いだそうです。
解体された闘牛は“感謝を込めて”
親戚や関係者だけで配られたり
全てをハンバーグなどに加工して
還元されることもあるそうです。
たくましい体格の
生粋なオス牛である闘牛は、
脂肪の少ないニュージーランドや
グラスフェッドと似ている部分が
あるため赤身が主体の肉質です。
できれば豪快に振る舞うことで、
闘牛に敬意を称していただくことが
できるのではないかと感じました。
厚切りで豪快に味わうならココ
やはり、脂肪分が少ない赤身肉を
厚切りで焼くのには技術が必要です。
ただ焼くだけでは、
どうやっても硬くなってしまう、
素人にはムズカシイ肉質です。
もしステーキとして味わうのに
適している部位として王道なのは
・サーロイン
・リブロース
・フィレ
霜降りの和牛とは違った味わいに
驚かれるかもしれません。
私がはじめにいただいたのは
サーロインのステーキです。
こんなに脂身が少ない和牛は
初めてみました。
炭火で焼き上げた香ばしい匂いと
肉の旨味がダイレクトに口の中に広がります。
さらに伝統文化として継承されている闘牛。
とてもありがたく感慨深い気持ちになってきます。
やはり細かくミンチ肉にしてしまうよりは
できる限り厚切りで焼くのが醍醐味だと感じます。
もし、オーブンなどの設備が
備わっているならランプやウチモモに
挑戦してみるのもオススメです。
次は実際に東京のレストランで
メニューとして提供された闘牛料理を
ご紹介します。
極旨!ステーキ以外の闘牛料理
闘牛の肉質は噛むほどにパワーが
湧き上がりそうな味わいです。
ですが、ステーキとしては調理が
難しい部位も余すことなく
いただくにはどうすればいいか?
その悩みを解決するべく、
東京にあるシェフたちの
ご協力でさまざまな料理を提案し
てもらいました。
もしあなたが肉好きであれば
きっと活用できる料理があると思います。
ついに男の肉料理が完成
闘牛にはステーキとして塊で料理にするのは
難しい部位があります。
オス同士で頭をぶつけ合う試合に挑む
闘牛が一番、トレーニングで鍛えているのは
首と肩の部分です。
筋肉の逞しい部分のソーセージ。
豚肉はよくありますが、牛肉のソーセージって
あまり見かけませんよね。
ガッツリとスパイスが効かせて闘牛100%
赤身肉の旨味を引き立てています。
トレーニングで鍛えている闘牛にも唯一、
脂身が集中しているのがバラ肉です。
丸ごと長時間煮込んでポトフにすることで
スープの旨味が野菜にも染み込みます。
こちらも肩やスネ肉を使って筋繊維がほろほろ
崩れるほど柔らかく煮込まれていました。
闘牛ステーキはこんな人にオススメ
・生粋のオス牛を味わいたい
・闘牛のようにたくましくなりたい
・赤身肉を食べてパワーが欲しい
闘牛は希少な存在なため。
なかなか食べる機会はないかもしれません。
ですが、もしチャンスがあるならば
ぜひ一度味わってみて欲しいと思います。