お肉を売りメニューにしているお店に
いくと必ずと言って良いほど「赤身の肉」
がメニューにあると思います。

 

・グラスフェッドビーフ入荷しています。

・放牧牛は牛本来の姿です。

・だからまずいわけがありません。

・・・など。

 

だいぶ偏った書き方をしていると
感じました。

 

なぜかというと。

 

日本人の下にはグラスフェッドビーフは
確実に口には合わないからです。

 

よく言われることがあります。

 

熊本県阿蘇からくる赤毛和牛(赤牛)は
放牧牛なんでしょ?

 

答えは、半分合っていますが
それだけではありません。

 

最近特に。

 

外国産のグラスフェッドビーフが
注目されてるので国内で飼育している和牛も
100%グラスフェッドビーフにした方がいい
と思われています。

 

先に答えを明かしてしまうと、
国内で飼育されている牛肉は
「グラスフェッドで育てている」
と呼べる牛は“ほぼいない”というか
できない。と言った方が良いかもしれません。

放牧牛は私たち牛のことを
よく知らない方から見ると
確かにイメージはいいかもしれません。

 

しかし、放牧だけで牛を育てようと
しても肉は美味しくはなりません。

 

なぜでしょう・・・

 

このページでは
「グラスフェッドに偏ると肉が
ジビエになる理由」を説明します。



 

赤身が強いグラスフェッドビーフと赤牛の違い

赤牛の肉質はよく見ると
赤身の肉ように見えます。

 

実は細かい脂が肉の内部に
張り巡らされている肉なんです。

 

だから、上手に肉に火を入れると
肉汁と適度な脂がジュワーッと
溶け出てくるので噛むごとに
美味しい味わいになります。

 

一方で最近盛んに目にしている
外国産はどうでしょう。

 

例えば、オーストラリア産の
グラスフェッドビーフの肉は
どうでしょうか?

 

別に嫌いとかではなく、
ハッキリと言わせていただくと
肉がただ硬いだけだと思います。

 

そんな赤身肉も上手に火を入れれば
肉の味わいを感じることが
できるかもしれません。

 

しかし、肉に脂分がほぼないために
火を入れるとパサパサした
焼き上がりになります。

 

それを補うために濃いめのソースなど
かけて食べないと何か物足りません。

 

前述したあか牛は、塩だけあれば
食べることができるくらい肉に
味わいがあります。

口にあか牛の肉を放り込み
噛みしめるごとに最後までしっかりと
お肉の味わいが残ります。

 

ソースがあれば肉に付けて
食べてもいいかもしれませんが
基本的に要らないと思います。

 

赤身の強いグラスフェッドビーフとあか牛は
見た目は赤身の肉なのかもしれませんが
同じ土俵では判断できないと思います。

 

赤身肉を食べると歯が鍛えられるのは本当?

赤身の牛肉の中で極端なまでに脂肪分が少ない
グラスフェッドビーフをステーキにして食べると
歯が鍛えられます。

 

「肉を噛みすぎて顎が疲れた」

「肉の味じゃなくソースで食べている気がする」

 

こんな経験はありませんか?

 

赤身の肉は火の入り方で肉の硬さが変わる
デリケートな食材です。

 

でも、それだけが原因で肉が
噛みきれない訳では無いんですよ。

 

グラスフェッドで放牧した期間にもよりますが
長ければ長いほど赤身の肉は
硬く引き締まっていきます。

 

和牛の中でも赤身と脂のバランスが良い
とされているあか牛(赤毛和牛)の
赤身は全然食べれるんです。

 

あか牛の飼育は全て放牧スタイルで
育てているわけではなく牛舎で
グレインフェッド(穀物系)も
ムシャムシャと食べています。

 

誤解のないようにしたいので
あえて極端に言わせてもらいます。

 

100%放牧で育てた牛は肉がゴムのように硬く
ガリガリに痩せていて、とても肉を食べるような
状態ではないです。

 

まるで、味のないガリガリに
やせ細ったジビエ肉に近いです。

 

外国産のグラスフェッドビーフは
どちらかというと。

今、話したような育て方をしています。

 

健康そうに育てているように見えますが
それだけでは私たちが美味しい、と
思えるような肉にはならないのです。

 

それに。

 

牛飼いからすると放牧させている牛の方が
手間も掛からないので、場所があれば放牧を
してもいいそうです。

 

でも、その方法ですと放牧させている牛たち
それぞれの健康状態が把握できません。

 

本来は健康的に育てていることが
大事なはずなのに
これでは本末転倒ですよね?

 

一方。

 

熊本県の阿蘇の牧場で育てている
あか牛は放牧とのバランスを考えて
キチンと牛の健康状態を見ながら
育てています。

この両者の違い、が最終的に
肉の味に反映してくることに
なります。

 

だから、外国産の草だけを食べている
放牧牛で変なお肉に当たってしまうと
まるでジビエのような硬い肉になってしまう
ということです。

 

ジビエと言いましたが
放牧だけですと肉の味わいは
何かが足りない味わいです。

 

むしろ「ただ硬い肉」といった感じです。

 

良質な赤身肉は肉は硬くても旨みを十分に
含んでいるので、噛むごとにジュワーっと
肉汁がでてくるものです。

 

もしあなたが、外国産のグラスフェッドビーフ
を食べる機会があるならば品質と肉の味を
引き出す塩だけは妥協しない方がいいです。

 

これは安い!とかで飛びつくと、後で
その赤身肉が口の中で噛みきれなくて
顎が痛くなります。

 

もしそれでも、グラスフェッドを食べたい、
と思うならば顎が鍛えられるのを覚悟で
食べた方が良さそうです。

 

塩味で肉の味わいは大きく変わってきます。

 

肉と塩のことを知りたい方はこちらを
ご覧ください。

パサパサした肉が焼き上がる原因は塩だった