和牛赤身肉専門の肉エビスです。

 

はじめにお聞きしたいのですが、ワインやお酒によく合う味の濃い赤身肉はお好きですか?

 

赤身肉は外国産も含めてとても人気がある肉です。

 

和牛にもじつは赤身の肉があるって知っている方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか?

 

“あか牛”も和牛の赤身肉として、少しは知られるようになりましたが東北地方にも大変美味しい赤身の肉があります。

 

短角牛です。

 

短角牛を一度でも食べたことがある方は「肉が固い」とか言う方がいます。

 

この後の牛の説明をお読みになると、もう「肉が固い」とは思わなくなるでしょう。

 

個人的な話をすると、和牛赤身肉のなかでも短角牛は抜群の肉の旨さを誇ります。

 

そのルーツは育て方や環境が大きく関係しています。

 

この記事では
【現地リポート】短角牛の放牧風景を見学
楽しみにお読みください。

日本ではあまり見られなくなってしまった、短角牛の放牧風景をご覧になりながら、こんな和牛もいるんだ、と思っていただけると嬉しいです。

短角牛は和牛だった

短角牛は正真正銘の和牛です。

 

食肉の和牛として正式に認められてる品種です。

 

和牛の他に日本ではおなじみの乳牛がいますよね。乳牛は主に牛乳を絞るために育てている牛です。

 

和牛と呼ばれる牛は、牛乳を取る牛ではなく食肉として育てている牛になります。

 

ちなみに、このように放牧している和牛はとても数が少なく希少な存在です。

 

この画像の短角牛はエリート牛と呼ばれ、伸び伸びと育てられてます。

短角牛の主な産地をご紹介

短角牛は暑さにはあまり強くないので、主に東北地方から北のエリアで育てられています。

 

東北地方に元々の役牛として飼われていた「南部牛」。

 

そして外来種の「ショートホーン種」を交配して誕生しています。

 

元が東北の代表牛「南部牛」なので寒さには強いわけですよね。

 

最近では北海道でも育てる方が増えてきているようです。

短角牛の放牧

先日、東京から抜け出して短角牛を見てきました。

 

短角牛の実物を見たのは初めてでしたが、とても人間に優しく怖がりながら顔を触らせてくれました。

 

画像をご覧いただくとわかりますがとても絵になります。

著名なカメラマンがよく訪れています。

 

そして画像を見ればみるほど

・牛のストレスがない
・忘れかけている本来の形
・ここはどこの国の風景

・・・と、色んなことを想像したと思います。

 

この画像は日本です。

 

ただ、この景色を守るために、現地の方は並々ならない苦労をされています。

牧場の広大な広さに圧巻

この牧場の広さは110ヘクタールあります。

 

標高はおよそ600メートルくらいです。

 

近隣は山しかありません。

 

僕たちが普段目にしているコンビニは一軒もありません。スーパーもありません。飲食店は1軒もありません。

 

そんな場所だからこそ、短角牛が伸び伸びと育つんでしょうね。

 

このエリアには大小合わせると13軒ほどの農家の方がいらっしゃいます。

 

牧場には5月〜11月くらいまで短角牛を放牧して育てています。

 

訪れた時は牧場の一番隅に短角牛の群れがいました。

 

歩いて群れまで近づいたのですが途中、起伏のある場所の上り下りを続けていたら僕のほうがバテました。

短角牛たちは、この山を自由自在に駆け回って牧草をムシャムシャ食べています。

 

この動画を音声をあげてご覧ください。

ムシャムシャと音がします。

 

初めて生の牧草を食べる音を聞きました。

 

美味しそうに食べる姿を見て牛は牧草が好きなんだ、と改めて感じました。

 

60頭ほどの群れの中にオスが一頭だけいます。

短角牛のオスはオスと呼ぶにふさわしい立派な体型で少しだけ黒ずんでいます。

なぜ群れで放牧をするのか?

一番の理由は
「良い血統を持つ子牛を産ませるため」
です。

 

人間の世界で考えると少し残酷に見えるかもしれません。

 

でも、人間以外の世界ではごく自然なことです。

 

生命力が強く、肉付きが良い健康的な血統を持つオス牛だけが、自分の遺伝子を残すことができます。

 

もし、60頭の群れに何頭ものオス牛を離してしまうと…。

肉付きの悪い遺伝子を持つ子牛が
生まれる確率が上がります。

 

それに生命力のない子牛が生まれ
発育途中で死亡するリスクも上がります。

 

こうした事を回避するために
「良い遺伝子がある」と認められる
オス牛1頭だけを群れに離して
自然交配を行います。

 

ちなみに、自然交配の特徴は
いつ子牛が生まれるのか
分かりません。

 

なので、黒毛和牛農家の方は
殆どの自然交配は行いません。

 

あえて手間の掛かる自然交配すること
「景観を保ちながら牛を育てる」という
選択をしています。

牧草地は管理が難しい

一度牛に牧草を食べさせると
牧草地に使った場所に生えている
草が成長するまで一定の時間が
掛かります。

 

同じような牧場が6つあるそうです。

順番に短角牛を移動させて牧草地を
変えています。

 

もし、1年間牧草地を使わないと
その牧草地は使えなくなるようです。

 

牧草地の維持は難しいですね。

 

他の地域でも上記のような
理由をクリアすることが困難になり
牛を放牧する牧場の数が
減少しています。

牧草で飼育する最大の理由

子牛の発育に必要だからです。

 

もし、生まれてからすぐに親牛と
離してしまうとストレスにより
子牛が病気になったり発育は良くても
肉付きが悪くなったり肉質にも
影響がでるようです。

 

母牛も生まれたばかりの子牛を
取り上げられてしまうと…。

 

ストレスや病気になりやすくなり
次回の種付にも影響が出るそうです。

 

こちらの牧場では生まれた子牛は
雪が積もる前の10月下旬まで
親牛と共に過ごします。

 

母牛は牧草を沢山食べているので、
牛乳(母乳)がよく出ます。

 

僕も見ましたが子牛が牛乳を飲んで
顔を上げると口の周りいっぱいに
白くなっていました。

 

子牛は母牛から出る牛乳と
牧草を食べながら大事に
そして健康的に育てられます。

 

その後、肥育をします。

肥育に関して誤解をされそうなので
簡単に補足をすると。

 

美味しい牛肉にするためには
肥育は必要です。

 

肥育をしないで食べても肉の味が
しません。

 

それに獣臭がすごくあります。

 

良い肉は肥育は必要と
覚えておいてください。

(肥育のやり過ぎは除く)

短角牛の味はシェフの腕次第で決まる

短角牛を食べた方に感想をお聞きすると
大半の方は肉が固いと言います。

 

もしかしたら、肉が固いと感じたのは
食べたお店のシェフの腕が悪いからかも
しれません。

 

短角牛の肉を別名で、
「料理人泣かせの赤身肉」
と呼ばれるほど火入れの技術
要求される肉です。

 

黒毛和牛と同じような火入れや
肉質などを見てから火入れをしないと…。

 

肉の持ち味が台無しになります。

 

短角牛は赤身肉の中で
首位を争うくらい火入れが
難しい肉です。

 

食べるときは他のお肉の火入れ状況
を見てから注文をしたほうが
いいかもしれません。

 

ちなみに、火入れが素晴らしいと
「極上の美味しさの和牛赤身肉」
となります。

短角牛の美味しい料理はステーキ

短角牛は肉の味わいがストレートに出る
赤身肉です。

 

ですので、薄切りのスライスで
火を通して食べても短角牛本来の
旨さは感じられないでしょう。

 

短角牛を味わうならステーキが
いいでしょう。

 

オススメの部位は
サーロインステーキです。

ただ、サーロインと言う部位は外側に
脂身がくっ付いています。

 

普段から脂に慣れていない方は
サーロインステーキよりもヒレステーキ
のほうがいいかもしれません。

 

丁寧に育てられた短角牛のヒレ肉を
ステーキにして食べると
あまりの美味しさに驚きます。

 

ヒレ特有の柔らかがありながら
赤身肉特有の旨みを含んでいるので
噛むごとに味わいがあります。

部位に関しては好みですが、
黒毛和牛では感じることがない
肉に個性があります。

 

肉好きには堪らない赤身の肉だと
思います。

 

僕は個人的にオススメな部位はモモ肉です。

モモ肉の火入れはとても難しく
熟練の肉焼き職人でもいればいいですが
そうでないなら別の部位のほうが
いいかもしれません。

 

しかし、短角のモモ肉こそ“ザ赤身肉”
という表現がピッタリです。

 

短角牛のモモ肉ステーキは
100%に近い割合で真っ赤な赤身です。

 

超絶に美味しいので、モモ肉ステーキを
見つけたら食べたほうがいいでしょう。

 

短角牛ステーキの美味しいお店は恵比寿

短角牛を取り扱うお店は以前に比べて
増えました。

 

恵比寿でも短角牛をメニューに入れている
お店があります。

 

もし、あなたが美味しい短角牛を
食べたい、と思うなら恵比寿にある
当店にお越しください。

 

当店は開業から7年間あまり
知名度が余りない時期から
短角牛をメニューに入れている
希少なお店です。

 

昔から使い続けているからこそ
短角牛の火入れはもちろん
肉の良し悪しも熟知しています。

美味しい短角牛は部位選びが大事

当店で取り扱う短角牛の部位は
赤身肉の中でも一番美味しい部位である
モモ肉をステーキにしています。

 

ただでさえ肉が固いと言われている
「短角牛のモモ肉はもっと固いのでは?」
と思われている方。

 

ご安心ください。

 

肉を美味しく食べる本場フランス料理
技術を駆使して固くなりがちな
短角牛肉をシットリジューシーに
焼き上げています。

 

フランス料理と聞くと敷居が高いように
思われる方もいると思います。

 

当店は肉焼きのテクニックロジックなど
はフレンチを使っています。

 

和牛赤身肉の美味しさを最大限に
感じて欲しいので短角牛も変な
仕立てにはしないでできる限り
シンプルにしてお出ししています。

 

短角牛ステーキをシンプルにお出ししてる
理由は肉(素材)の質には
自信があるからです。

 

不動のテクニックで最高の状態で
提供する自信があるからできることだと
思っています。

 

赤身好きなら食べたほうがいい

 

ここまでお読みになれば当店が
「素材をどれだけ大事にしているのか」
ご理解いただけると思います。

 

外国産の赤身肉が悪いとは
言いませんが、この記事で
ご紹介したようなストーリーは
ありません。

 

僕たちは同じ日本人として赤身肉
美味しさを体験して欲しい
考えています。

 

赤身好きならば当店の和牛赤身肉
おさえていなければ、赤身について
知っているとは言えないと思います。

 

気になる方はぜひ当店にお越しください。

 

ご予約はこちらから承ります。