もくじ
どんな肉が適しているのか?
フランスでは地方によって
個性的な様々な肉を使ったリエットが作られています。
様々なリエットと言いましたが
具体的には豚肉はもちろん!ですが、
鴨肉、羊肉、ヤギ肉、ウサギ肉と
お肉でしたら全てリエットにできるということです。
全ての肉をリエットにできますが
気をつけなくてはいけないあるルールがあります。
このルールを知らずにリエットを作ったり
ビストロやレストランで料理を注文してしまうと
かなり嫌な思いをすることになります。
実はプロの料理人でも知らないことです。
いくつかあるんですがその中の1つをあなたにお教えすると
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人間の体温よりも高い温度で溶ける脂
を持っている獣肉のリエットはできない。
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です。
詳しく説明していきます。
一般的に人間の体温は35度〜36度の間です。
つまり、、、私たち人間がこの肉(脂)美味しい!
と感じる温度って
自分の体温よりも低い温度で溶ける脂で作られた料理に対して
美味しいと感じます。
なぜなら脂がいい感じで溶けて風味だけが
口の中に最後残り、「んー旨い!」となります。
例えば豚肉
豚肉の脂が美味しいと感じるのは
豚の脂つまりラードの融点が人間よりも低いから
美味しいと感じるのです。
最近では銘柄豚など融点が違う豚がいるようですが
その話は別の機会にします。
多くの豚は33度程度から37度くらいまでが
脂の融点と言われています。
だから豚肉で作られたソーセージやパテ、
リエットが一番馴染みやすい、、、というか
美味しいと感じやすいのです。
ちなみにですが、、、
ジビエでリエットを作っているレストランを
チラホラ見かけます。
が
なんでもジビエの肉をリエットにして美味しいのか
は別問題です。
例を挙げます。
最近日本でも使う店舗が増えた「エゾシカ」
エゾシカは当店でも大変人気のある食材です。
鹿の話に興味のある方はこちらを見てください。
その鹿ですが多くのお店では脂付きで
エゾシカを出すことはしません。
突然ですがあなたは
鹿の脂の融点って知っていますか?
馴染みがない食材なので知らない方が多いと思います。
答えは55度位です。
だいぶ高温にならないと溶けないです。
ということは、、、
さっき人間の体温の話をしました。
そう正解です!
鹿の脂を食べて体の中に入れても、、、
私たち人間の体温の方が
鹿の脂の融点入りも低いので溶けません。
脂が溶けないということは、、、
ザラついた味わいの料理ができてしまいます。
どんなに上手に料理をしたとしても
脂だけが浮き出てしまい
料理が分離したりザラザラ感が残り
食べた時に不快感が出てしまうのです。
脂が滑らかさが出る脂であればいいのですが
鹿の場合は逆になってしまうんですよね。
結果。
鹿のリエットを作っても豚の脂
つまりラードを入れなければとても食べることはできません。
よね?
このようにリエットとして出せるお肉かどうかを見極めるには
お肉の脂の融点が人間の体温よりも低い温度で溶けること
が条件になります。