コッパって料理を知っていますか?

 

古代ローマから伝わる料理の一つです。

 

豚の首や肩肉で作る「生ハム」のことを、そのように呼んでいます。

 

生ハムなので、薄くスライスして上質のオリーブオイルをかけて食べます。
(炒めても 美味い!ですよ)

 

今回、ご紹介する料理ですが、一応名前は“コッパ”と付いていますが、全く別の料理です。


前述したコッパは加熱をせず(しても良いです)できるだけ薄〜くスライスして食べますが、これからご紹介するローマ風コッパは、始めに豚の内臓系をボイルして内臓のゼラチン質で固めたものです。

 

だから、女性に人気のコラーゲン豊富でプリプリです。

 

僕はこの料理を作るだけで、手が若返った気がします。

 

これだけコラーゲン豊富の料理なので、でき上がりの姿が“ゼリー寄せ”のように見えますが、全く別物です。

 

ゼリー寄せは液体にゼラチンを添加して固めますが、この“コッパロマーナ”は、肉に含まれている天然のゼラチン質だけで固めているので、肉を食べているのと変わりません。

 

食べ方ですが、厚めにスライスして食べるのがオススメです。

 

しかし、できれば和牛赤身肉を食べる前に、「食べていただいたい」と考えているので、特別に赤ワインにも合わせやすいようにアレンジしました。

 

最大の違いは、香辛料のチョイスとソース、塩にあります。

 

コラーゲン豊富なゼラチン料理によく合わせるワインは、白ワインをオススメしているレストランが多いようですが、この料理に合うワインは間違いなく赤ワインが合います。

なぜなら、香辛料にシナモンと黒胡椒をふんだんに使用しているからです。

 

ホットワインを飲んだことがあれば解りますが、ワインと柑橘類、クローブやバニラビーンズ、そしてシナモン、はちみつを加えて温めた、とっても贅沢な飲み物です。

 

だから、赤ワインとシナモンが合わない理由がないくらい絶妙な組み合わせです。

 

そのままの流れでメイン料理に「熊本県産 赤牛のステーキ」を合わせれば、「ボトルで赤ワインを注文したいな」と思う赤ワイン好きなあなたも、そのまま他のワインを飲まずに赤ワインで通せてしまいます。

 

パリのビストロで教わった料理

前に同じ料理を出した時。

 

コッパってイタリア料理だから「イタリアで教わったんでしょうか?」と聞かれたことがあります。

 

私たち日本人には想像が付きづらいかもしれませんが、フランスとイタリアは地続きで繋がっています。

ということは、当然、食材なども共通の“モノ”が多くなります。

 

食材の往来が増えていくと、食べ方や特有の文化も伝わりやすくなります。

 

パリのビストロやレストランには、世界中から集まった人々が働いています。

 

ドイツ人、アメリカ人、ポーランド人、イタリア人…

 

彼らは自分の文化を、少しでも「知ってほしい」という思いがとても強いです。

 

その中で教えてもらったのが、今回ご紹介する、お肌が滑々になり保湿効果も抜群になってしまう「ローマ風コッパ」です。

 

コッパロマーナ(ローマ風コッパ)の作り方

 

それでは、作り方をご紹介しますね。

 

1)材料を用意する。

豚耳、豚頬肉、豚タンを水によくさらす。

 

コッパロマーナは内臓を使った料理です。よく水にさらして臭みを取り除きます。

 

この作業を疎かにすると、仕上がりが鼻につく匂いが残り美味しくなりません。

 

それと、内蔵系を使用するときは鮮度には気をつけます。

 

悪い材料で作って美味しくできるように思われていますが、悪い材料で美味しい料理を作ろうと思っても難しいです。

材料の良し悪しは、シンプルな料理こそ大事にしたいものです。

 

2)ボイルする

十分に水にさらした、豚類を大きな鍋にいれてボイルします。

一度沸騰したら再度ボイルするを、最低2回は行います。

コレをやらずにそのまま煮込んでしまうと、内蔵特有の匂いが残ってしまうので、美味しいと思える仕上がりにはなりません。

 

必ずふきこぼしてください。

 

この手間ヒマが料理を美味しくする最大のコツです。

 

3)3回目のボイル

3回目の沸騰でアクをよく取ります。

アクがなくなったら、岩塩、玉ねぎ、人参などの香味野菜を加えて、よく煮込んでいきます。

所要時間:約5時間ほど

 

4)柔らかくなった内臓をオカアゲにする

揃えた材料にもよりますが、豚頬肉と豚耳辺りから十分に柔らかくなるはずです。

豚タンはかなり柔らかくしたほうがいいので、時間差でオカアゲしてください。

 

オカアゲしてそのまま放置していると、折角柔らかく煮上げた肉が乾いてガビガビになってしまいます。

 

できれだけ、乾かないようにラップをするなど操作が必要です。

 

5)皮を剥く

オカアゲして十分に粗熱が取れた豚頬肉、豚タンの皮や筋を取り除いておきます。

豚耳に関しては、耳の奥側や裏側に豚の毛が残っている場合があります。

 

その場合はキレイに取り除きましょう。

6)ダイス状にカット

材料を全て1センチ角に切ります。

この時に、煮込みに失敗してしまい、柔らかすぎて肉の繊維がボロボロになることがあります。

その場合は、一度完全に冷え固まるまで待ったほうがいいでしょう。

7)香辛料を準備する

黒胡椒は潰します

挽き胡椒にすると辛くなりすぎるので、必ず丸ごとの黒胡椒を潰して使用しましょう。

 

黒胡椒を加えることで日持ちがよくなります。

 

今回は日持ちよりも、味に重点を置いて加えています。

シナモンパウダー、レモンの皮の部分のすりおろしを用意しておきます。

8)混ぜ合わす

刻んだ内臓類と香辛料を混ぜ合わせます。

このとき、豚の内臓を煮ていた煮汁を加えます。

煮汁を加えることで、ゼラチンが強化されて、肉と肉が冷めると自然にくっつきます。

塩は強めの方がいいでしょう。

9)テリーヌ型に入れる

テリーヌ型とはこんな形をしています。

そのテリーヌ型にラップを敷いておきます。

今回はテリーヌ型でつくりましたが、用意できるならガーゼのようなものを袋上にして大きめのソーセージを作るようにすることもできます。

 

パリで教わったのはガーゼのほうです。

 

テリーヌ型を使用するならば、十分水分にはお気をつけください。

 

水分が多ければ多いほど、肉の味が薄れて味気ないゼリー寄せのテリーヌになってしまいます。

10)軽く重しをして冷やし固める


軽く重しをして均等に肉類がくっつくようにしてください。

 

最後のひと手間を渋り、料理が台無しになることがあります。

 

当店では手間ヒマかけるときは、最新の注意で作っています。

 

最低でも1晩は冷やし固めてください。

 

11)仕上げる


包丁を使いスライスして盛り付けましょう。

 

ゼリー寄せと違い肉がギッシリ詰まっています。

 

コッパロマーナ(ローマ風コッパ)はコレで完成です。

手間ヒマかけた料理をできるだけシンプルに

これは当店が大事にしている考え方です。

 

よくやってしまいがちなのは、素材をグチャグチャにしてアート性豊かな料理にしてしまいます。

 

この方法を否定するつもりはありませんが、料理として十分に完成しているのに、素材の良さを殺すような方法で料理を食べても、あまり食べた記憶に残らないのではないでしょうか?

 

和牛赤身肉も同じです。

 

ほかの記事をご覧いただくと「そういうことなんですね!」と気がつくと思いますが、素材のもつ可能性を最大限に引き出すように、フレンチのテクニックを駆使して、他では決して食べることができないよう仕上げています。

 

他のステーキは強火を使うので周りがカスカスになったり、火を入れすぎてガチガチの肉になったりしています。

 

ひどいと、「赤身肉は火を通さないほうが柔らかい」ような触れ込みをして提供しているお店もあります。

 

確かに赤身肉に火が通っていない“生肉”ですから、そりゃ〜柔らかいでしょう。

 

しかし、赤身肉の旨さは適度に火入れをして、ジューシーさを引き出されたステーキを食べたとき。

 

「あ〜〜〜この肉は旨いな」と
感じるのではないでしょうか?

 

話をもどすと、ここまでお読みになっているので、コッパロマーナが出来上がりまでに…

十分過ぎるくらい手間ヒマかけて作っています。

 

なので、できるだけシンプルに食べれるような仕立てにしました。

 

タルタルのようなソースはレムラードソースといい、主に冷製の肉料理に合わせるソースです。

 

期間限定になり申し訳ありませんが、この料理が気になり「ぜひ食べてみたい!」という方はご来店くださいね。

 

前菜はご紹介したコラーゲン豊富なコッパロマーナで始まり、メインはフレンチのテクニックでジューシーに焼き上げた和牛赤身肉。

 

合わせるワインは、フランスのピノ・ノアールで決まりです。