もくじ
通常当店では
あか毛和牛や短角牛を「ステーキ」
や「ロースト」といった料理で
お出ししています。
大変好評です。^^
でも今回はハンバーグのことを書いていくので
最後までお付き合いくださいね。
では当店がなぜ「赤身肉和牛ハンバーグ」
を開発するキッカケになったのか
を書いていきます。
それはご来店になったお客様の一言が始まりでした。
「ヨーロッパではステーキばかりでハンバーグって食べないの?」
とある常連のお客様に言われたのがキッカケで
本気でステックアッシェを開発することに
なりました。
知らない方からすると
「普通にクズ肉をミンチにかければいいじゃない?」
と言われそうですが
実は赤身だけでステックアッシェを作ると
パサパサ、ボソボソ、ボッテリした味わいや
仕上がりになりとても美味しいとは
ほど遠くなってしまいます。
それを解決するためには
素材を研究しなければならないんです。
通常ハンバーグは混ぜ物が入ります。
私が昔修行した
ホテル時代のレシピがあったので
赤身の牛をそのレシピに沿って
ハンバーグを作ってみました。
やはり余り美味しくなく、
赤身の肉自体、妙にパサパサして
肉の味が出ているというか
外に出すぎてしまい
凝縮感がない仕上がりでした。
なので、これは失敗です。
次に、赤身の和牛の中でも最も高額で
希少価値の高いあか毛和牛の赤身肉だけを
贅沢にミンチにしてフランス風に焼いてみました。
フランスのステックアッシェそのままです。
これだったらいいかな。
なんて思いましたが、
料理が冷めてしまうと・・・
前回のハンバーグと同じで
パサパサ感ボソボソ感がでてしまい
正直美味しいとは感じなかったです。
中々上手くいかない・・・
それから色々なテクニックを駆使して
美味しくしようとしましたが
味の面で満足できなかったり
思うようなハンバーグになりません・・・
シンプルにステーキやローストでは
こんなに美味しいのに、
加工したら全く美味しくない・・・
赤身の牛そのものの個性を
殺してしまっていると感じていました。
それからも、私の試行錯誤が続きますが
食材をいじればいじるほど
赤身肉ハンバーグでは無くなってしまいます。
ハンバーグにする事は難しいな、、、
半ば諦めかけていました。
以前にご提案いただいた
お客様が来店してくれても
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
「まだできないの?」
・・と言って完成までに
何回お店に足を運んでくれたか
数え切れないです。
ダメなのかな・・
諦めかけてから数日後。
たまたまミンチをかける時に
赤牛の脂を入れたまま
ミンチにかけてしまいました。
脂が入ってしまい
「あ〜〜これでは黒毛の脂ギッタリと一緒だな〜〜」
もったいないから焼いて食べてみるか
と思って焼いてみました。
表面をサッと焼いて食べてみたところ・・・
「!美味い!!!」
「これだ!この味だ!」
ついに思った味を見つけました。
本当にうれしかったです。
私はテクニックに頼ってしまい
肝心な素材を活かすという考え方が
足りていなかったようです。
ポイントは赤牛の脂にありました。
灯台下暗しという諺がありますが
正にそうでした。
恥ずかしいです。
お待たせいたしました。
紆余曲折ありましたが、
貴重な赤毛和牛を使った
新しいハンバーグ(ステックアッシェ)が
このような形で完成しました。