あか牛ファンのあなたにお聞きします。

 

熊本県や大分県のあか牛ではなく
高知県でもあか牛が飼育されていることを
知っていますか?

 

高知県のあか牛は熊本県のあか牛よりも
少ないです。

 

2018年度 高知県畜産振興課調べに
よると、年間出荷頭数が約470頭しかいない
大変希少な牛です。

 

そんな希少な土佐あかうしの名前で
親しまれている、赤毛和牛を・・・

 

ついに!視察してきました。

 

このページでは高知県のあか牛ブランド
“土佐あか牛”について現地レポートも
兼ねて解説をします。

 

このページをお読みになることで
「絶対に土佐あか牛を食べたい!」
と思うでしょう。

 

楽しみにお読みくださいね。

土佐あか牛と熊本県のあか牛との違い

画像をご覧いただくと分かりますが
同じ褐毛和種(赤毛和牛)なのに
顔が違います。

 

土佐あかうしの顔は鹿(バンビ)
に似ている顔だと感じました。

アイシャドーをしたようなパッチリとした目。

 

よく目を凝らしてみると…。

 

蹄や尻尾の先、鼻先も黒色です。

 

タテガミも黒です。

 

熊本、高知どちらのあか牛も
見ているので甲乙はつけ難いですが
かわいさでいうと、土佐あかうしは
かわいいです。

 

人懐っこく、皆の掌を
ペロッと舐めていました。

 

熊本県のあか牛もかわいいですが
鹿というよりも牛らしい立派な牛
だと僕は思います。

 

あか牛の祖先

あか牛の祖先は韓国の韓牛と呼ばれる
食用牛とスイスのシンメンタール種
掛け合わせて誕生しました。

 

前の章で触れたのでご存知だと思いますが
褐毛和種(あか牛)には2種類
あか牛がいます。

 

“熊本系褐毛和種”
“高知系(土佐)褐毛和種”
です。

 

熊本県を起点に大分県、長崎県
宮城県、北海道・・・など

最近では“あか牛”を育てる方が
全国で増えていますが全て
熊本系のあか牛です。

 

対して、高知系(土佐)褐毛和種は
高知県でしか飼育されていません。

それに、熊本系あか牛は肉質などの
改良を重ねています。

 

しかし、土佐あか牛は改良をしたくても
そもそも改良をするほどの
頭数がいないです。

 

なので、土佐あか牛の肉質の特徴は
昔ながらの肉らしい味わいがあり
柔らかい赤身です。

 

高知県と熊本県のあか牛ともに飼育頭数に問題あり

高知県の土佐あか牛の生産飼育頭数は
前述しましたが極端に少ないです。

 

熊本系と違い、高知県でしか
飼育されていません。

 

かといって、熊本県のあか牛の飼育頭数が
多いわけでもありません。

どちらも数がいません。

 

高知県の場合。農家の数が高齢化
でヤリ手がいなくなるなどの理由で
激減してしまうと…。

 

冒頭でお伝えした生産量の維持
できなくなります。

 

最近、ヘルシー志向が高まり
和牛赤身肉にも注目
集まってきています。

 

認知度も以前と比べると
確実に上がってきています。

 

土佐あか牛を食べた方は分かりますが
熊本系のあか牛とは違う美味しさが
土佐あか牛にはあります。

 

希少性だけではなく肉の味わいも
今の時代にあっている、などの理由で
人気がある和牛になりました。

なので、欲しがるお店や食べたい方が
急増しています。

 

こんな理由もあって今では
“手に入れたくても入れることができない”
幻の和牛肉になっているんです。

 

子牛が生まれて肉になるまで
最低でも2年半は時間が掛かります。

 

ブームになっても子牛の数が
急に増えるわけではないので
幻の和牛はさらに幻となってしまいます。

 

もし、あなたが土佐あか牛の肉を
食べる機会があったら迷わず
予約した方がいいです。

 

肉好きならば一度は味わって
おいたほうがいいかもしれません。

 

土佐あかうしの産地

高知県全域で飼育をしているようですが
肥育(肉用)として飼育している方と
飼育(子牛)を産ませるために
育てている農家があります。

 

高知県の室戸岬周辺土佐清水など
で放牧している姿を見ることがありますが
こちらは肥育をしているのではなく
飼育用として育てています。

 

肥育用の土佐あか牛を
多く育てているエリアは
この後にご紹介する嶺北地区
主な産地です。

嶺北地区は天空の楽園

先日嶺北地区を訪れたときの
画像です。

 

嶺北地区は四国の真ん中辺り
位置してます。

 

高知県大豊町、本山町、
土佐町、大川村の4つの町村です。

 

嶺北地区は日本一水がキレイ
と呼ばれている吉野川
源流地域です。

美味しい水のある場所には
美味しいお米とお酒があります。

画像は山間部ならではの
棚田です。

 

この日は天気があまり良くなく
曇っていましたが、山の間には
霧もやがあり、下には一面。

 

キレイな緑色した稲が植えられている
棚田が広がっています。

 

この棚田を見にワザワザ都市部から
見に来る方がいるそうです。

棚田に植えられているお米は
まだお米になっていないのに
すでに行き先が決まっている
そうです。

 

棚田の景観だけではなく
米の味わいも別格なようですね。

 

一度、この棚田で作られたお米を
食べてみたいものです。

 

嶺北地区は標高200m〜1800mの
山岳地帯です。

 

高い場所は天空のような雲が
多いです。

 

緑が多いので楽園のように見えます。

 

この地形はとても寒暖の差が激しく
この地で採れる野菜も他のエリアで
採れる野菜と比べて、味が濃く
瑞々しいのが特徴です。

 

これは僕が産地を回っていて
感じたことですが。

 

美味しい水がある場所には必ず
素晴らしい“和牛”がいます。

 

嶺北地区はまさに
「土佐あか牛の聖域」
と表現しても言い過ぎではない
と思います。

この後の章で「なぜ聖地なのか?」
を説明します。

土佐あかうしの牛舎を見学

今回特別に無理言って土佐あか牛がいる
牛舎を拝見させていただくことができました。

 

川井さんです。

 

嶺北地区には川井さん以外にも多数
あか牛を育てている方がいますが
どれも数十頭の規模ばかりです。

 

川井さんはこの辺りで一番大きい
300頭ほどのあか牛を育てている
一貫農家さんです。

和牛農家の仕組みをよく
ご存知ではないと思うので
説明すると…。

 

和牛農家といっても3種類あります。

 

A)飼育農家

子牛が生まれるように和牛を育て
子牛が生まれてからおよそ
10ヶ月〜12ヶ月ほど育てます。

 

それから子牛販売のセリに出して
肥育農家に販売をする農家です。

B)肥育農家

子牛をセリ場で購入してきて
肥育作業(土佐では24〜27ヶ月間 )
をする農家です。

 

肥育する期間はマチマチで
黒毛和牛の銘柄牛などは
肥育する期間などが厳重に
決まっています。

 

決められた肥育期間に満たないと
銘柄牛として認められませんし
中には格付け等級A4、A5だけ
銘柄牛と認めるような制度も
あります。

C)一貫農家

AとB両方を行う農家

 

全てを行うのである程度の規模が
必要です。

 

ですので、限られた農家だけしか
一貫農家はできません。

土佐あか牛と黒毛和牛

川井さんの牛舎を拝見して
不思議に思ったことがありました。

 

黒毛和牛もいます。

 

というか、一緒の部屋で
同居しているんです。

 

赤と黒が同居しているなんて…

 

初めてでした。

 

川井さんのところでは子牛の時から
赤と黒を一緒に育てているようです。

 

違う和牛同士だと気性の違いなどが
ありそうですが、お聞きしたところ。

 

土佐あか牛はとにかく大人しいから
喧嘩もしないそうです。

 

僕たちが手を伸ばすと黒毛も
餌をくれるのではないかと思い
近寄って来ます。

 

でも、あか牛の方が猛烈に人間に
近寄ります。

 

ラブコールのようです。

 

頭を撫でようとしても逃げる牛は
少なく、人間の腕を大きな牛タンで
ベロ〜〜ンと舐めていました。

 

人懐っこいです。

 

ちなみに赤毛和牛土佐あか牛として
出荷しますが、黒毛和牛は
土佐和牛として出荷するそうです。

 

土佐あか牛の放牧を見学

川井さんのところでは牛舎だけしか
見ることができなかったので
放牧された「あか牛を見たい!」
と思いました。

 

以前から懇意にしている方に
「放牧している姿を見たい」
と聞いてみると…。

 

どうやら高知市内で土佐あか牛を
放牧している場所があるようです。

 

市内は駅前はビルが立ち並んでいます。

 

そんな場所で放牧されているなんて…。

 

「ぜひ見たい!」

 

と、お願いして特別に
見せていただくことが
できました。

 

飛行機と土佐あか牛

案内された場所は高知龍馬空港から
車でわずか5分の場所でした。

「高知大学 農林海洋科学部」
と書かれた表札を見たときは
驚きました。

 

このような場所で本当に土佐あか牛を
放牧しているのだろうか…。

 

今回、大学の許可を特別にいただき
大学で土佐あか牛の生体
繁殖研究をしている施設
見せていただくことができました。

 

先に牛舎を見させてもらうと
かわいらしい顔をした“土佐あか牛”たち
が干し草をムシャムシャ食べていました。

中にはまだ耳にタグが付けられてない
昨日生まれたばかりの赤ちゃん牛
まで見ることができました。

大学生が毎日、牛の世話をしているので
あか牛は大声でモーーーと
泣くことはありませんでした。

 

愛情を込めて育てているのが
伝わってきます。

 

【超希少】土佐あかうしのオス

 

放牧の土佐あか牛と
やっとご対面がしました。

 

これを放牧なのか?
という声もあると思います。

 

自らの意思で自由に動き回りながら
牧草を食べているので“放牧”
呼んでもいいと思います。

 

試験的なので小さな群れですが
メスが数頭と子牛が数頭
真ん中には他のあか牛と
体つきや顔つきが違う牛が
います。

彼はオスなんです。

 

画像を見ていただくとわかりますが
目の周りが黒くパンダのような顔
オスの特徴です。

 

なぜ、一頭のオスと多くのメスを一緒に
放牧をしているのか疑問に思うでしょう。

 

自然交配をするためです。

 

例えば、群れに2頭とか離してしまうと
生まれた子牛はどちらのオスの遺伝子を
持って生まれたのか分からなくてなります。

 

超わかり易く説明すると、このオス牛は
種牛です。

 

種牛に選ばれる条件は様々ですが
体つき肉つき健康面など多面的に見て
優秀だと思われるオスが種牛になります。

 

牛の世界はオスは大変ですね。

 

本来は土佐のあか牛は大人しい筈ですが
オス牛は別でした。

 

僕が群れの近くに寄っていくと…。

 

一気に警戒モードに入り
僕の動向を常に見張っていました。

 

子牛たちは群れの内側に避難させて
オス牛は僕の方に近づいてきます。

あと一歩群れのテリトリーに入ると
猛突進してきそうな勢いです。

 

“一触即発”の雰囲気です。

 

あとで知ったのですが、牛飼いの間でも
オス牛には不用意に近づかないそうです。

 

貴重なオス牛も見ることができました。

 

ご協力ありがとうございました。

土佐あかうしの肉は評判が良い

土佐あか牛の身質は赤身が主体です。

 

サシはありますが他の和牛と比べて
しつこい脂ではないので
サーロインステーキで食べても
美味しく食べることができます。

(この2枚の画像は現地で食べたステーキです。)

「土佐あか牛」の希少性については
ここまでお読みなれば十分分かった
と思います。

 

それでも。

 

もし幸運にも土佐あか牛を食べることが
できるならばオススメの食べ方は
ステーキが一番です。

 

ローストビーフも美味しいですが
肉そのものをガッツリ味わうならば
厚みのあるステーキが最高です。

 

高知県民も中々食べれない幻の肉

高知県はあか牛の産地ですが
地元の人でもあか牛を一度も
食べたことがない、という方もいます。

 

特にステーキとして人気ある部位に
限っては東京や大阪などの都市部に
回されます。

 

都市部の方が高く売れていくことを
考えると仕方ないかもしれません。

土佐あかうしが恵比寿で食べれる

当店は都内でも和牛赤身肉を
専門に取り扱うお店です。

 

今回ご案内した土佐あか牛の
ステーキをご提供してい
都内でも
珍しいお店です。

 

熊本県のあか牛も扱っているので
仕入れができた順番にメニューに
載せるようにしています。

 

できるだけ、土佐あか牛の良さである
「赤身の味わい」を食べた方には
堪能していただきたいと思うので
それを生かすような調理方法
提供をしています。

フレンチの技術であか牛を食べる

「良い料理は素材選びで決まる」
と言われるように、僕たちの仕事は
出来るだけ「良質な食材の良さ」
を引き出すように心がけています。

 

赤身肉の火入れは難しく
熟練の技が必要です。

 

赤身肉は強火で焼くと身が縮んだり
焼けた部分が苦くなったりするので
素材の味わいが台無しになります。

 

そこで、27年間フレンチに
携わってきている知恵と経験をもとに
独自の技術で「土佐あか牛」の赤身肉
火入れをしています。

 

シットリジューシーな赤身肉に
仕上げているので肉が固くて食べれない
ことはありません。

 

噛むごとに肉汁が出てくるので
いつまでも口の中で噛んでいられます。

 

ご興味がありましたら
ぜひ当店に予約をしてください。

 

お待ちしています。