恵比寿の赤身肉専門
クニオミです、

 

はじめにお聞きしたいのですが…。

 

『和牛の赤身肉』と聞いてどんな肉か
想像できますか?

 

・肉が硬そう。

・火を通すとパサパサになって
 マズイ肉

・ダイエット食だよね。

 

・・・など

 

色んな意見があると思います。

 

しかし。

 

和牛の赤身肉は調理の仕方次第
どの肉にも負けない美味しさを
秘めているんです。

 

しかも、肉に脂分が少ないので
とってもヘルシーです。

 

多くの日本人は和牛と聞くと
脂(サシ)がギッシリと入っている
“霜降り肉”を想像します。

 

でもそれらの肉は和牛の中でも
等級が高い肉だけです。

 

黒毛和牛=和牛

のように思われていますが
和牛は大きく分けて4種類います。

 

あなたも知っている脂ギトギトの
柔らかい肉は黒毛和牛です。

 

このページでは和牛の等級について、
赤身肉はどのランクにあるのか
を解説をしていきます。

 

楽しみに最後までお読みください。



和牛の赤身肉とは

和牛と呼ばれる牛は4種類います。

 

簡単に触れておくと

 

1)黒毛和牛
2)赤毛和牛
3)短角和牛
4)無角種和牛

 

それと上記の和牛同士を
交配させた“和牛間交雑種”
も含まれます。

 

驚かれるもしれませんが

 

「和牛の赤身肉はこれです!」

 

という明確な基準はありません。

 

詳しくはこの後で解説しますが
それぞれが独自に解釈をして

「この肉こそ赤身肉だ!」

と言い張っているだけなのです。

 

良いか悪いかは別として
脂がバッチリ入っている黒毛和牛の
モモ肉を赤身肉としてメニューにいれて
提供しているお店もあります。

 

当店では黒毛和牛の格付等級が
高い肉は例えモモ肉であっても
赤身肉として使いません。

 

肉の内部まで脂が入り過ぎです。

 

ですので、必然的に黒毛和牛は
赤身肉としてどうしても
認められないのです。

 

代わりに。

 

和牛のなかでも赤身の肉質が絶品
赤毛和牛(赤牛)、短角和牛
仕入れています。

 

この2つの和牛は赤身肉ですが
全く異なる赤身質です。

 

赤毛和牛の方は生の状態だと
薄っすらと細かい脂が
肉の中に入っています。

 

独自のテクニックで加熱をすると
真っ赤な赤身肉に発色します。

 

短角和牛は生肉の状態でも
バリバリの赤身肉です。

 

だから調理する人の腕を
要求される肉かもしれません。

 

“赤身肉の定義は曖昧なんだ”
と、ここでは知っておいてください。

和牛の格付け等級では
赤身肉の評価はどうなのか?

和牛の赤身肉は格付け等級の中にいれると
肉の味わいなどを無視された評価
なってしまいます。

 

ですので、

 

短角や赤毛和牛農家の方は
格付けが行われる競り場には
あまり持っていきたくないのです。

 

では和牛の格付等級とは
どういう制度なのでしょうか?

 

牛枝肉取引規格

リンクを張っておいたのでご覧いただくと
分かると思いますが、良い肉とされる評価を
一覧表にして可視化したものです。

 

日本国内で飼育された“牛であれば”
和牛でも『乳牛』でも『ジャージー牛』でも
牛同士をかけ合わせた『交雑牛』でも
この規格のなかにいれて判断されます。

 

格付け等級は大きく分けて
“肉質等級”“歩留等級”とで
等級が決まります。

 

あなたもよく耳にしたことが有る
A5ランクA4ランクの肉は
肉質等級のなかでは最高級に
位置しています。

 

ちなみに歩留まり等級は
A、B、Cと3つに分かれます。

 

その中でもAランクは
『歩留まりが良い枝肉』
とされています。

 

※枝肉とは肉と骨がある状態です。

 

こんな肉です。
(少しグロいけどすいません)

 

歩留まりという言葉を初めて
耳にする方がいると思います。

 

超簡単に説明すると枝肉から
取ることができる肉の量のことです。

 

次に肉質等級です。

 

1〜5番までの番号で判断しています。

 

肉質の項目は脂肪の入り方
肉の色や肉質のキメ、脂肪の色と質

 

これらを総合して5段階で評価しています。

 

仮に枝肉がAの5番だとすると…

歩留まりもよく霜降り度合いも
かなりある肉になります。

 

そしてランクの高い肉(A4、A5)は
高値で取引されます。

もうお分かりと思いますが
元々赤身が主体の赤牛や短角牛は
これらの基準に入ってしまうと
肉の評価がガタ落ちとなってしまいます。

 

「脂さえあればランクが高い!」

「脂こそ正義!」

「脂がない肉は下等肉だ!」

 

そんな現況の牛肉の評価に対して
あなたはどう思うでしょうか?

 



赤身肉に対する消費者と生産者はこんなに違う

嬉しいことにヘルシーで健康志向の方を
中心に赤身肉に対して興味を持つ方が
増えてきています。

 

はじめはダイエット食として注目を
浴びましたが、和牛の赤身肉は
外国産の赤身肉と比べて味がよい
美味しいと高評価をいただいています。

 

でも、まだまだ赤身肉に対して
不味い、硬い、美味しくない
という方がいます。

 

赤身肉に対する消費者と生産者の違いを
記したので参考にしてみてください。

 

赤身肉が好きな消費者

赤身肉という言葉の通りです。

 

真っ赤な牛肉でいて脂が殆どない
『これぞ赤身肉』と思っています。

 

肉の味は別にして
見た目だけで言うならば…。

 

外国産の赤身肉は消費者が
思うような肉です。

 

残念ながら、和牛肉は黒毛和牛のイメージが
強く肉の内部に脂がある肉と思われています。

 

焼肉屋で和牛の赤身肉を注文したのに
脂があった、などという話は
よく耳にします。

 

スーパーなどでも和牛赤身肉として
い売られていてもサシが入っている
ばかりです。

 

探せば赤牛や短角牛のような
和牛で赤身の肉があることを
提供している側が知らないだけ
なのかもしれませんね。

 

赤身肉を扱うお店

お店側は赤身肉と書いてメニューにいれれば
人気になりやすい、と思い込んでいます。

 

しかし、前述したとおりお客さんである
消費者が求めている赤身肉の定義は
厳しいです。

 

・外国産と国内産なのか‥

・国内産でも交雑牛や国内で飼育
 されただけの牛なのか‥

・乳牛の赤身肉なのか‥

・黒毛和牛を赤身と言っているのか‥

・・・など

 

最近の傾向として黒毛和牛の赤身が
強い部位では赤身肉とは言えないとする
お店が増えてきています。

 

当店のように赤牛や短角牛の
仕入れをしています。

 

ただし問題があります。

 

赤身肉は調理が難しく
誰でも簡単に扱えないのです。

 

黒毛和牛のような火の通し方をすると
たちまち噛み切れないパサパサな肉
変貌します。

 

赤身肉を扱うお店選びには
あなたも気をつけてくださいね。

 

赤身肉を卸す肉屋

スーパーなどで扱うお肉屋や
肉をスーパーやお店に卸す肉屋さん
は赤身肉のことをどのように
思っているのでしょう。

 

業者さんによって三者三様です。

 

ある肉屋は

「サシが入っていても
赤身が強い部位だから赤身肉」

という人もいます。

 

またある肉屋はサシが入っている
和牛は全て赤身肉ではなく

「外国産の牧草飼育だけが赤身だ」

という人もいます。

 

肉屋さんはあくまでも肉を仕入れて
売るのが仕事です。

 

要は
“高く売れればどちらでも良い”
のです。

 

その辺りが理解できれば
あなたの赤身肉に対する目利きが
さらに養われるかもしれませんね。

 

育てている人(生産者)

和牛を育てている生産者の方は
赤身肉に対してどう思っているのでしよう。

 

誤解をされたくないので先に
結論から言わせてもらいます。

 

『枝肉を競り場でできるだけ
高値で売りたい』

 

このように思って和牛を育てています。

 

例えば

黒毛和牛を専門に育てている農家さんは
必ずA4かA5の評価になるように
牛を育てます。

 

しかし、同じ和牛でも赤牛はどうでしょう。

 

競り場に出すとよくてランクは
A2またはA3です。

(かなり優秀な牛でです)

 

商売的にプラスになればいいですが
ならない場合が多いのです。

 

だから、生産者側からすると
「ランクが低くなる牛は育てられない…」

となってしまうのです。

 

牛枝肉取引規格に当てはめると

サシが有る方が評価が高く
真っ赤な赤身肉は評価が低い
されてしまうのです。

 

余談ですが。

それで生産者はどうするか?

 

赤身がウリの赤牛や短角牛に
サシが入るように育てて少しでも
高値で売ろうと考えるのです。

 

全ての農家さんではないですが
残念ですが一部の和牛農家さんは
このように考えているのです。

 

赤牛や短角牛の数は
激減の一途を辿っています。

 

正当な評価をすべきだ、と
個人的には思っています。

 

和牛の赤身肉を絶品だと感じている人は急増

今までは『和牛=霜降り肉』のイメージでしたが
近年は赤身肉のほうが絶品だと思う人が
増えています。

 

前述したとおり和牛は黒毛和牛だけでは
ありません。

 

当店で扱っているような赤毛和牛(赤牛)
短角和牛も立派な和牛です。

 

同じ赤身肉でも外国産の牛肉と
比べても和牛の赤身肉の方は
上品な肉の味わいに驚かれるかたは
多いです。

 

かといって、肉の味が薄い訳ではなく
超高級レストランで積極的にメニュー
いれるほど、味わい深い赤身肉なんです。

 

和牛の赤身肉は黒毛和牛の格付け
では評価はできません。

 

独自の基準を設けて
和牛赤身肉の格付けがあっても
いいように思います。

 

これから益々人気が出る赤身肉
それも日本固有品種の和牛。

 

あなたも外食をしてメニューで
見かけたら注文をしてみてくださいね。