恵比寿、和牛の赤身肉専門
クニオミのです。
昔むかし、
家族でホットプレート焼肉を
楽しんでいた頃の話です。
カルビやソーセージは人気でしたが
赤身肉は敬遠しがちでした。
焼くと赤い汁が出るし、血だと思って
しっかり焼いて食べたらパサパサだし…と、
子供がウケる要素がゼロでした。
我が家で赤身肉を積極的に
食べたのは父だけでした。
赤身肉はヘルシーだけど、
焼き方にコツがいる肉です。
焼き加減、焼き方を誤ると
パサパサになりやすいのが最大の難点
です。
これは赤身肉の水分が出てしまうから。
加熱するとタンパク質が変性し
水分と旨みがドンドン流れ出てしまいます。
子供の頃の私は
明らかに加熱のしすぎでした。
無知とは恐ろしい…
これを克服する方法は
「加熱しすぎない」
加熱に気を付け、一手間かけるだけで
パサパサしがちな赤身肉が
ジューシーで柔らかい食感が
楽しめます。
コツさえ掴めば
赤身肉
=
健康には良いけど食感が悪いパサパサ肉
という先入観がきっと変わるはずです。
さっそくチャレンジしてみましょう。
赤身肉を味気ない肉にしないために!パサパサ防止のコツは温度管理
赤身肉を美味しく食べる方法の代表はステーキ。
ローストビーフも美味しいですが
パサパサにはなりづらいですが
調理時間が長いのが難点です。
手っ取り早く『ガッツリ肉!』という欲求に
答えるならステーキ一択でしょうね。
赤身肉だけでなく
牛肉ステーキをジューシーに
旨く焼く基礎は同じです。
・焼く30分ほど前に常温に戻す
・白っぽい筋の部分を包丁で切る
・塩は赤身肉を焼く直前に、
肉の重量の0.08%振る。
120gの肉なら1gほどを基本に調整を。
(細かい粒子の塩がベスト)・火入れは必要最低限に!温度管理が大事!
(1cmの薄い肉なら片面ずつ中火で1分弱
厚切り肉なら中火で2分弱→皿に上げてから蓋をして
余熱で火を通す)
フライパンはテフロン加工でも
鉄板でも構いません。
鉄板のほうが旨く焼けると言われますが
上記の4つを守ればテフロンでも
ジューシーで旨い赤身肉が楽しめます。
薄切りの焼肉でも1点だけ気を付ければ
味気ない肉にならないので
コッソリ秘訣をお教えします。
赤い肉汁が出た時点で引き上げる
赤い肉汁は見た目は生焼けのように見えます。
が
それは誤りです。
この肉汁は血ではなく
オキシミオグロビンという旨み成分です。
せっかく旨み成分が顔を出しているのに
これ以上加熱すると、水分が一気に抜けて
パサパサ焼肉になってしまいます。
大丈夫かなあ…と不安になるかもしれません。
安心してください。
赤身肉は余熱で火が回ります。
キチンと温度管理された肉なら
余程の生焼けでなければ
食中毒の心配はまずありません。
パサパサの原因は水分の抜け!赤身肉のぱさつきメカニズムを知る
赤身肉がパサパサする原因は「水分不足」です。
肉を焼いていたら赤い血が浮き出てきた
もっとしっかり焼かなきゃ・・・と考えがちですが
それがパサパサの元凶なんです!
繰り返しますが
あの赤い液体は血液ではありません。
アミノ酸(旨み成分)の一種。
ミオグロビンが酸素に反応し
オキシミオグロビンに変化した色です。
これが赤身肉のジューシーな旨さの正体です。
気持ち悪いと感じるかもしれませんが
これが旨みの正体です。
赤身肉は
「水分をできるだけ保ちながら調理すること」
が大事です。
少しだけ科学的な話をすると…
肉は焼くとタンパク質が変質
貯め込んでいた水分とアミノ酸が流出します。
熱で変質するとゴムのように固い赤身肉が
歯でサクッと噛み切れるほど柔らかくなります。
しかし同時に水分を保持できなくなり流出
パサパサが進みます。
加熱には功罪どちらもあり
特に赤身肉は脂質が少ないので
パサパサで味気ない肉になりやすいのです。
では
「歯で噛み切りやすく、ぱさつきを防ぐ」
にはどうすれば良いのでしょうか?
それは赤身肉に含まれる
3つのタンパク質の性質を理解することです。
肉には大きく分けて
3つのタンパク質があります。
1)筋原たんぱく質(アクチン・ミオシン)
2)筋漿たんぱく質(ミオゲン)
※漿=透明なタンパク質を含む体液
3)肉基質たんぱく質(コラーゲン・エラスチン)
特に、上記2つのタンパク質が
水分保持に関わります。
筋原タンパク質のアクチン・ミオシンは
赤身肉の基礎で水分や旨み成分
アミノ酸を蓄えています。
弾力がありますが熱を加えると固くなり、
歯切れが良くなります。
筋漿たんぱく質のミオゲンは
液体=旨みと水分の元です。
熱を加えるとゲル状になり、
ジューシーな旨い焼き肉になります。
しかし加熱しすぎると流れ出てしまい
パサパサ肉になってしまいます。
これは調理をする上で必ず
知っておいて欲しいのですが…
2つのタンパク質は
熱凝固をする温度が違います。
・筋原たんぱく質…45~50℃
・筋漿たんぱく質…55~62℃
赤身肉の中心部を55~62℃くらいに留めるのが
適度な水分と旨みを残す理想の温度です。
なので、筋漿タンパク質が熱凝固する
温度範囲62℃以下を維持すると
良いでしょう。
薄切り肉もパサパサ回避は可能、赤身肉は加熱しすぎで固くなる
赤身肉は加熱こそがすべてです。
加熱を誤ると固くなり、加熱不足だと
食中毒のリスクがあります。
加熱をコントロールすることが
美味しい赤身肉を食べる秘訣です。
赤身肉ステーキは
以下の事に気を付けて焼いた方が
良いです。
・火加減は必要最低限
・塩は赤身肉の0.08%を焼く直前に振る
・厚切りステーキ肉は加熱後、フタをして余熱で火を回す
・必ず常温に戻してから焼く
ご覧の通り。
面倒な下ごしらえは必要ありません。
これさえ守ればジューシーさが保てます。
みんなでワイワイ楽しみながら
パサパサの赤身肉を食べるのも
楽しいかもしれません。
だけど赤身肉のポテンシャルを引き出すために
ぜひ一度は「旨くなる焼き方」に
あなたもチャレンジしてみませんか?
最後までお読みいただき
ありがとうございました。