グラスフェッドビーフは日本で定着するかも

和牛赤身肉専門の肉エビスです。

日本でもやっと・・

赤身肉が流行り始めています。

 

今までは脂が多く噛まない肉が圧倒的の人気がありました。

 

しかし、東京を中心に、ここ数年で噛みごたえがあり、肉の脂分が少ない赤身肉に注目が集まってます。

 

なぜ、柔らかい脂が多い肉ではなく、よく噛まないと食べることができない赤身肉が好まれるのでしょうか?

 

健康ブームの影響と、肉に対する価値観が変わってきたからだと思われます。

 

例えば。

同じ牛肉でも出来るだけ健康に育てられた、国内産のお肉を食べようとする動きが浸透しつつあります。

 

健康ブームの到来で、一躍注目を浴びている赤身肉の中でも特に赤みが強い。

 

グラスフェッドビーフ(牧草飼育牛)は日本に定着するかもという内容で説明をします。

 

この記事をお読みになれば、最新の話題についていくことができます。

 

日本はグラスフェッドビーフよりも「霜降り和牛」こそ和牛、のような神話があるので、赤身肉の旨さや栄養などに関しては理解されづらいようです。

 

もしかしたら今後、放牧をさせて育てるグラスフェッド和牛が当たり前になるかも知れません。

 

その時のために、今日の話は是非知っておいた方がいいです。

グラスフェッドビーフの定義

グラスフェッドビーフの定義とは牧草飼育をした牛のことです。

 

『牛は草食なんだから、放牧させているのが当たり前じゃないの?』

 

と思われるかもしれませんが、必ずしも放牧して牛を飼育しているわけではありません。

 

むしろ、放牧して育ててる牛のほうが貴重です。

 

はじめに、日本の食肉和牛の話をします。

 

日本の和牛は、子牛まで育てる農家(飼育農家)肥育農家と分かれています。

 

食用のお肉としての完成度を高めるために、牧草飼育でなく肥育飼料を与えて大きく育てています。

 

これは日本だけに限ったことではありません。

 

アメリカでも、同じような育て方をして付加価値を牛肉につけて販売をしています。

 

グラスフェッドビーフは騒がれていますが、実際のところ。

 

探すのが難しい牛肉なのが現実です。

グラスフェッドとグレインフェッドの違い

グラスフェッドビーフの反対の言葉として、話題になるのが「グレインフェッドビーフ」です。

 

グレインフェッドとは、牛に“穀物”(グレイン)を与えて肥育させた牛のことです。

 

グラスフェッドとグレインフェッドは与える飼料と育て方の違いです。

 

育て方と飼料の違いがあるだけで、それ以外は飼育スピードが早いか遅いか程度の違いくらいです。

 

確かに牛は草食です。

 

草をムシャムシャと食べているイメージなのですが、実は草だけを食べている牛はどんどん痩せていってしまいます。

 

『え!なんで牛って草食でしょ!』

 

と驚くと思います。

 

これは、私が何件も飼育や肥育をされている農家さんを訪れて教えてもらったことです。

 

育てている方が同じことを、おっしゃっているので本当だと思います。

 

日本で育てられている9割以上がグレインフェッドで育てた牛です。

 

よく勘違いされてしまうことに牛に与える餌の違い「赤身になるのか」「霜降りになるのか」言われますがこれは牛の品種の違いに寄るところが多いそうです。

 

牛の育て方だけが「クローズアップ」されていますが、肉に関しては全く別物。

 

ということを知っておいてくださいね。

グラスフェッドビーフには黒毛和牛はいない

驚かれると思いますが、黒毛和牛に完全なグラスフェッドビーフはいません。

日本の和牛はグレインフェッドで育てている、と言いましたが生まれてからずっと、そのような飼育方法をしている訳ではないんです。

 

基本的に子牛になるまでは放牧して大きくしてる農家が多いです。

中には放牧と肥育のバランスを、牛の健康状態を見て決めている農家の方もいらっしゃいます。

 

きめ細かいサシを売りに黒毛和牛も放牧させて育てている方もいます。
※メチャクチャ希少な農家です。

 

ただ、脂の色や肉質に関してはグラスフェッド飼育にした期間が長いほど違います。

 

ちなみに草を食べれば食べるほど、黒毛和牛の脂の色はクリーム色、または黄色に変化をしていきます。

 

鶏卵の黄身の色は与える飼料にパプリカを混ぜると、卵黄が鮮やかなオレンジが強い黄色になるのと同じです。

 

脂の色で良し悪しをみる方もいますが、脂の色が黄色いから良くない、というのは決めつけです。

 

一概には言い切れないのが現状なんです。

 

以上の理由から、黒毛和牛には完全なグラスフェッドビーフは生まれないのです。

黒毛和牛を放牧させているのにサシが入るのか?

黒毛和牛は放牧させて運動をしても、少しサシが入ります。

 

ただし、子牛の血統によってサシが濃い薄いがあるようですね。

 

これは実際に、牛を育てている牧場の方に直接聞いた話ですが…。

 

親の黒毛和牛が素晴らしいサシの血統の子牛ならば、高確率でその牛は素晴らしいサシが肉に入る牛になります。

 

超簡単に説明すると、生まれた時からサシが入るかどうか決まっています。
(黒毛の子牛を買うと100%に近い確率で入ります。)

 

もし、黒毛和牛のサシなしで赤身だけの肉が欲しいならば。

 

親牛か子牛→育て上げて、また子牛を産ませて・・・

 

を繰り返して元の血統の血を薄めないことには、赤身の黒毛は生まれないということになります。

外国種のグラスフェッドビーフで育てた品種。

ブラウンスイス種やアンガス種など外国種ならば、元々赤身主体なので赤身の肉になります。

 

なので、どんな飼い方をしても赤身肉になります。
(限度はありますが)

 

与える飼料だけで、脂が肉に入り身が大きく変わるということにはならないようです。

 

念のため、誤解しないでほしいのですが。

グラスフェッドビーフはあくまでも育て方です。

 

黒毛和牛でも赤毛和牛でも短角牛でも、たとえ霜降りでも…

 

放牧飼育を行えば「グラスフェッドビーフ」と呼んでもいいんですよ。

 

放牧期間も明確に決まっていません何を持ってグラスフェッドと呼んでいいのでしょうね。

グラスフェッドビーフの赤身の肉がまずい理由

グラスフェッドビーフの赤身肉は、健康や美容効果に良い、という触れ込みがあり、一部の方には絶大な人気があります。

 

しかし、実際にグラスフェッドビーフを食べたら・・・

 

「肉が臭く、味がなく、硬い」
「美味しくない、まずい!」

という声をよくお聞きします。

 

私もちょうど昨日。

 

ニュージーランド産のグラスフェッドビーフのステーキを食べましたが、味が薄くて肉が硬めの印象を受けました。

 

肉の匂いというか、肉をあまり知らない方は単に臭いと思いますが・・・。

 

草だけを食べている牛は、家畜というよりも「ジビエ肉」に近い状態になります。

 

半ジビエとでも言った方がいいかもしれません。

 

人間が放牧して管理をしていても、牛は好きな草をたくさん食べているので体臭が強くなって野生化しています。

 

特にグラスフェッドビーフが主流の、オージービーフやニュージーランドビーフに多く見られる現象です。

 

次に肉が硬い。というのは運動をしているので、脂が少なく筋肉質になっているという証です。

 

赤身肉は硬いという前提で上手に調理をした方がいいでしょうね。

 

オススメはステーキでしょう!

 

ステーキにするならば、焼き加減を工夫しないと肉は硬いままです。なにかしらのテクニックが必要ですし、味付けにも注意が必要ですね。

 

美味しい赤身肉と感じる厚さは、2センチ以下に肉をカットしてステーキにしてください。

 

2センチ以下なら、焼き方も気を使わないでも済みますし、何よりもソースをかけて食べても肉の味わいも楽しみながら赤身肉を堪能することができます。

 

赤身肉の醍醐味は、肉を噛むごとに肉汁が出て美味しい!ということだと思います。

 

牧草だけを食べている牛は、「生命力」があるかもしれませんが、脂が少ないので、肉そのものの味を感じずらいです。

 

味が薄いと思ったら、合わせるソースやタレで工夫してください。料理をする上で材料が完璧なものはありません。

 

足らない何か、多すぎる何かを探し出し上手に調理してみてくださいね!

グラスフェッドビーフが日本人に好かれる肉になるためには

日本人が肉を食べたのはつい最近のことです。

 

明治時代に一般の市民権を得たばかりなので、まだまだ、肉を食べることに関しては進化途中です。

 

グラスフェッドビーフが日本人に好かれる肉になるためには、正しい「グラスフェッド」と「グレインフェッド」の知識を身につけておいた方がいいでしょう。

 

どちらの方法も牛肉を美味しくするために必要なことです。牛は古来から人間とともに歩んできた貴重な存在です。

 

黒毛和牛の育て方ばかりが「クローズアップ」されていますが、なぜ黒毛和牛がまだ現在も「人気のある牛肉なのか?」を冷静に考えれば、誰もがわかることです。

 

そう。食べてのニーズに合わせて、今のような形に変わっただけなんですよね。

 

グラスフェッドの育て方がいい悪い、ではなく、「マズイ、硬い、肉の味が薄い」などの意見を参考にしながら、どんどん進化をしていくと思います。

 

黒毛和牛のトロける肉、噛まない肉とグラスフェッドビーフのいいところをミックスすれば、日本人に好かれ日本が誇る和牛「新しい和牛肉」になると信じています。

まとめ

かなり濃厚なグラスフェッドの話をしましたが、どうでしたか?

 

「牛さんを野生に返してあげる」

 

ならいいかもしれませんが、牛肉として育てるならば、どちらか片方だけに寄らない方がいいのかもしれません。

 

グラスフェッドビーフの中には香りがよく、コクや旨味もあり美味しい赤身の肉はあります。

 

ただし。世の中に存在しているものには、完璧なものなどありません。

 

何かが多くて何かが足らない肉が普通です。

 

ステーキとして調理するならば、足らないお肉に「何かをプラス」して。

美味しく食べる工夫をすれば、新しい料理などが生み出される、キッカケになると思いませんか?

 

今の段階でオススメできる、グラスフェッドビーフがあるので、ご紹介しておきます。

 

1)ニュージーランド産グラスフェッドビーフ
良質なを食べやすい大きさにスライスしているので、ご家庭でも手軽にグラスフェッドビーフを食べることができます。

2)珍しいグラスフェッドビーフのミンチ肉です。
赤身だけのミンチを手に入れれば塩コショウをして味付けすれば100%赤身肉ハンバーグの完成です。

国内産は高額なので難しいと思いますが、コチラなら手軽に赤身肉を食べれます。

ぜひお試しください。

あなたも是非、グラスフェッドビーフをステーキにして新しい料理を考え出してみてください。

お読みいただきありがとうございました。