はじめに肉好きのあなたに
お聞きしたのですが…
和牛と国産牛の本当の違いを
知っていますか?
多くの方にこのような質問をすると
『神戸牛とか近江牛が和牛でしょ!
でも、国産牛ってなんだろう?』
『よく知らないな・・・』
あなたが和牛に対して思っていること
私にもよく解ります。
「和牛」と「国産牛」はなんとなく名前で
理解できていますが、明確な違いは
知らない方が多いと思います。
ちなみに
神戸牛、仙台牛、前沢牛など
牛肉の有名なブランド産地名がついた
和牛の名前です。
例えば、同じように魚のマグロ
で説明すると…。
ビンチョウマグロや本マグロ
メジマグロは冒頭で話した
和牛に種類があるように
マグロの種類のことです。
多くの人が「和牛」として漠然と
知っていっていますが実際は和牛にも
種類が存在しています。
高級スーパーやデパート地下の
食品売り場に並んでいる国内で生産されて
売られている“牛肉のラベル”をよく
見てください。
「和牛」と書いてあるお肉と
「国産牛」と書いてあるお肉が
並んでいます。
お肉の見た目に違えばいいのですが
あまり変わりがないお肉であれば
たとえ国産牛として売られていても
和牛が売られているように思ってしまい
購入してしまいます。
なぜ、国産牛と和牛を
区別しているのでしょうか?
気になる方は多いと思います。
そこで、この記事では
「国産牛と和牛の違い」について
説明します。
この記事を最後までお読みなると
なぜ和牛なのか?
どうして国産牛と呼ばれているのか?
がハッキリと理解できるようになります。
もくじ
和牛肉は4種類だけしかいない
和牛とは日本に元々生存していた
在来種と外国から連れてこられた
外来種を交配させて独自に改良
された日本が決めた品種のことです。
ですので、冒頭に少しお話しした
「〇〇牛」と名前のつく和牛の“前段階”
ということになります。
和牛の種類は全部で4種います。
あとで説明しますがその中で
「交雑種」という牛もいます。
この牛を和牛とするのか意見が
分かれるところです。
理解しやすいように特別に
交雑牛も入れて解説しています。
1)黒毛和種(くろげわしゅ)
通称:黒毛
2)褐毛和種(あかげわしゅ)
通称:あか牛
3)日本短角種(にほんたんかくしゅ)
通称:短角牛
4)無角和種(むかくわしゅ)
和牛と呼べるのはこの品種だけです。
あと上記の異なる和牛同士を交配させた
牛を「交雑牛」ともしています。
交雑牛に関して言えば
「和牛×和牛=交雑牛」
もいれば。
「和牛×乳牛=交雑牛」
とすることもできます。
ですので、もしあなたが
お店で仕入れをしたり
スーパーで購入する際には
注意が必要です。
正直言って
味に天と地ほど差があるからです。
次に和牛の主な産地と飼育頭数を図にしました。
次に円グラフにしてみました。
こうしてみると日本では圧倒的に
黒毛和牛が育てられているのが分かります。
当店で扱っている「あか牛」は近年生産頭数が
増えてはきていますが、黒毛和牛と比べてしまうと
その多さの違いに驚くばかりです。
あか牛が貴重な牛ということが
頷けるのではないでしょうか?
和牛の交配のため連れてこられた外国産の牛
和牛が美味しいのは日本だけでなく
世界で評価され始めています。
なぜこれだけ、海外の方からの支持を
集めることができているのかというと
外来種との交配に寄るところが
大きいです。
外来種とはどのような牛なのか
簡単にまとめました。
黒毛和種
在来種×デボン種(島根県)
在来種×ブラウンスイス種(兵庫、鳥取県)
黒毛和牛だけは2種類の外来種がいます。
1つ目はデボン種です。
イギリスのデボン州にいる肉専用種です。
二つ目はブラウンスイス種です。
元々スイスで役牛(畑仕事、食肉、乳牛)として
飼われていた牛をアメリカで改良した牛です。
黒毛和牛は欧州の牛と交配させていますが
当初は県ごとで肉質や味わいなど
まちまちでだったようです。
その後、「これではいけない!」ということになり
さらに改良されて現在の黒毛和種が
生まれています。
褐色和種
阿蘇や熊本県南東部で飼われていた
肥後牛×シンメンタール種
シンメンタール種はスイス西部にある
シンメンタール地方原産の役牛です。
日本短角種 南部牛×ショートホーン種
ショートホーン種はイギリスやスコットランドで
飼われている肉専用種のことです。
無角和種 在来種×アンガス種
アンガス種はイギリスのスコットランド・アンガス州で
飼育されていた牛のことです
アンガス牛は肉食専用種として
世界で人気があります。
まとめ
ここまで和牛の話をしましたが
いかがだったでしょうか?
和牛と一言で言っても種類も様々です。
特に当店が6年前から
ずっと使い続けている
赤毛和牛の数は最近では
増えてきているようです。
当店が使い始めた頃は多くの飲食店や
スーパーなどが見向きもしないような
お肉でした。
それが近年。
「赤身肉ブーム」ということが重なって
急に脚光をあびるようになりました。
熊本県のあか牛を使い続けている
当店にとってこれほど嬉しいことは
ありません。
熊本空港にはこんなことが書いてありました。
「やっと時代が追いついた!」
熊本県の農家さんにとっては
まさにその通りです。
もっとあか牛の美味しさを多くの方に
知っていただきたいと思っています。
高知県のあか牛:土佐あか牛は
熊本県と違い他の県では
飼育されていません。
なので、交配されたばかりの
肉質を味わうことができます。
都内でもあか牛が飼育されている
熊本県、高知県から仕入れているのは
とても珍しいです。
気になる方はぜひお越しください。
もし、あなたが普段。
黒毛和牛の方を多く食べているならば
あか牛を食べると和牛の常識が
変わると思います。